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Tuesday, December 17, 2019

日本社会の「生理」観は変わるか? 漫画キャラがタブーに挑戦 - Newsweekjapan

彼女はタイミング悪くやって来て、パンチで鈍痛を与えるーー。

でも、「生理ちゃん」には使命がある。女性の生理は恥ずかしく汚いもので、オープンに話すことではない、とされている社会のタブーを破ることだ。赤い唇と赤いパンツが印象的な生理ちゃんは、日本の漫画のキャラクターとして生まれ、最近映画化もされた。

どちらも見た人からは好評で、男性にも女性にも生理に対する理解を深めるための一歩として評価されている。ただ一部では、ステレオタイプな見方や、その奥にある性差別から目をそらすことにならないか、との懸念を示す向きもある。

大阪大学の牟田和恵教授(社会学)は「これまで全く隠されてきたことを、漫画、コミックにするというのは1つの意味があると思う。生理のことについて女性のリアリティを知らない男性は非常に多い」と話す。「この漫画を100%ほめることはできないが、オープンになり、教育される方向に一歩でも進んで行けばいいと思う」

映画「生理ちゃん」は吉本興業が制作し、11月に公開された。原作は男性漫画家の小山健氏によるコミックで、2017年に連載が始まり、KADOKAWAから単行本化されている。

映画版は今月、台湾で上映開始、1月には香港でも公開される。中国と東南アジアでのプレミアショーも計画されている。

生理についてオープンに話そうという試みが注目を集めたのは、老舗百貨店の大丸が、生理中の従業員に「生理ちゃん」のキャラクターが描かれたバッジの着用を呼びかけたことがきっかけだった。従業員同士の助け合いをうながす目的だったが、ハラスメントを懸念する声などが寄せられ、現在は「再検討中」だという。

漫画版では、生理ちゃんのパンチを受けた女性が生理痛で倒れ、生理ちゃんが注射器で血液を抜き取る場面が描かれる。夫が優しくしないと、生理ちゃんは今度は夫にパンチをお見舞いする。

日本では封建時代、生理中の女性は汚れているとみなされ、離れの部屋に閉じ込められたこともあった。

映画版では、主人公で出版社の編集者・青子の男性上司が生理痛の辛さに理解を示さない様子や、妻と死に別れ娘を1人で育てている青子の恋人が娘の初潮に際し、青子に相談する様子が描かれる。青子はこう嘆く。「1年に1回でいいから男も生理になればいいのに」。

性差問題について発信している作家の北原みのり氏は、タブーを破ろうとする試みは歓迎するとしながらも、漫画と映画は「女性の悩みがステレオタイプ化され、矮小化された物語になっているという感じ」がすると指摘する。

33歳の男性は、彼女と一緒に映画を鑑賞した。「男は女の大変さがわからない。勉強になった。大したことではない人もいるし、立ち上がれない人もいる。(この映画は)わかりやすい」と、映画館から出てきた男性は話した。

「男性に見てほしい」。32歳の彼女はそう語った。

(翻訳:宮崎亜巳、編集:久保信博※)

Linda Sieg

[東京 ロイター]


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