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Friday, January 24, 2020

『鬼滅の刃』漫画売り上げランキングで一人勝ち ゆとりあるネーム作りが成功の秘訣か(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース

週間ベストセラー【コミックス】ランキング(1月21日トーハン調べ)
1位 『五等分の花嫁』(13)春場ねぎ 講談社
2位 『鬼滅の刃』(8)吾峠呼世晴 集英社
3位 『鬼滅の刃』(7)吾峠呼世晴 集英社
4位 『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦』(17)赤坂アカ 集英社
5位 『鬼滅の刃』(10)吾峠呼世晴 集英社
6位 『鬼滅の刃』(9)吾峠呼世晴 集英社
7位 『鬼滅の刃』(11)吾峠呼世晴 集英社
8位 『鬼滅の刃』(6)吾峠呼世晴 集英社
9位 『鬼滅の刃』(5)吾峠呼世晴 集英社
10位 『鬼滅の刃』(1)吾峠呼世晴 集英社

 1月21日トーハン調べの週間ベストセラーランキングで、「コミックス」のジャンルがなかなか痛快な結果を見せてくれた。かろうじて『五等分の花嫁』13巻が初登場で1位と一矢報いた感もあるが、基本的にはご覧のとおりの『鬼滅の刃』の一人勝ちである。

 そこでふと疑問に思ったのが、今年に入ってから他に売れそうな漫画の新刊は出ていないのか、ということだった。試しに調べてみたが、(あえて名前は出さないが)各社から有力だと思えるコミックスは実はそこそこ出てはいるのだ。つまり今回のランキングの結果が物語っているのは、そうしたそんじょそこらのヒット作の新刊よりも、『鬼滅の刃』の既刊のほうがはるかに売れているという衝撃の事実であり、この快進撃はまだまだしばらくのあいだは続くものだと思われる。

 じっさい今日(1月22日)、いくつかの都内の書店の漫画売り場を回ってみたのだが、たしかに『鬼滅の刃』の既刊はいずれも品薄になっている(1巻については私が見た限りどこも売り切れだった)。そのうちのある書店にたまたま友人の書店員がいたので話を聞いてみたのだが、「今は各書店で『鬼滅の刃』のコミックスを奪い合っている状態です。棚に並べておくだけですぐに売り切れてしまいますからね。しかもここ最近の売れ方は尋常じゃなくて、おそらくもっとも勢いがあった頃の『鋼の錬金術師』や『進撃の巨人』をさらに上回っているといっていいかもしれません」とのこと。

 ただ、そんななか『鬼滅の刃』と同じ「週刊少年ジャンプ」連載陣はさすがに手強い存在だといえ、昨年末に出た『ONE PIECE』や、1月4日発売の『約束のネバーランド』『ハイキュー!!』『SPY×FAMILY』『呪術廻戦』『ブラッククローバー』といった作品の最新刊は、前回(1月15日調べ)のランキングではきちんとランクインしている(注・『SPY×FAMILY』は「少年ジャンプ+」連載作)。とはいってもまあ、今回のランキングでは軒並み『鬼滅の刃』の2016年に出た1巻にも負けているわけであるが……。

 いずれにせよ、今回と前回のランキングは、部数が落ちただのなんだのといわれながらもやっぱり「ジャンプ」ブランドは強いという、かの雑誌の底力を見せつける結果となった。そこで最後にちょっとだけ私見を書くが、私は80年代の黄金期の『少年ジャンプ』をリアルタイムで読んでいた世代だが、ここ最近のヒット作を見ると、「友情・努力・勝利」の3大テーマは活かしつつも、物語(ネーム)の作り方については大きく方向性を変えてきているように思える。つまり、雑誌の売り上げを伸ばすために毎回可能なかぎり盛り上げて強烈な引きで「以下次号!」という(良くも悪くも)後先考えないネーム作りではなく、コミックスになった時により大きな感動と驚きを読者に与えるための伏線を張った(あるいはコミックス1冊ごとの構成をじっくりと考えた)ゆとりのあるネーム作りにシフトしているような気がするのだ(たとえば近年のヒット作のひとつである『約束のネバーランド』は、原作者の企画持ち込みから3年の準備期間を経て連載が開始されたという)。

 もちろん、この流れは、「ジャンプ」に限らず、雑誌よりもコミックスの売り上げに期待するしかない今の漫画界においては自然なものだといえるし、そもそも別に悪いことでもないだろう(600万部時代のイケイケな作品群が醸し出していたアドリブによるドライブ感はなくなったともいえるが)。また、内容的にもダークファンタジー寄りの作品がこれまで以上に増えており、そのことからも今の「ジャンプ」が手堅くコミックスを購入してくれるマニア層を最初のターゲットとして想定しているのがうかがえる(当然マニア人気にとどまらず、そこからおもしろさが口コミで広がり、アニメ化などさらに大きく化けていく展開を期待してのことだろうが)。

 いずれにしても、現状を見たかぎり、この路線変更は間違ってはいない。なぜならば今回のランキングで圧勝した『鬼滅の刃』や、前述の『約束のネバーランド』のような、伏線の張りめぐらされた読み応えのあるダークファンタジーは、この流れの中でしか生まれなかったかもしれないからだ。

島田一志

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January 24, 2020 at 02:45PM
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