ボールペンでも“刺さる”作品は描ける
私は「紙で描く・読む」最後の世代だと思っています。私と同世代以上だと、まだ8~9割が紙の本を買っていますが、若い作家はもう完全にデジタルに移っています。
連載の途中で漫画の見え方が変わってしまうのは良くないので、『ちはやふる』はアナログな手法で紙に描いていますが、最後の生き残り、化石みたいな感じかも(笑)。
作品の広め方もどんどん変わっています。2019年にTwitter上に公開したエッセイ漫画は、入院中にその辺にあったノートとボールペンで描きました(笑)。綺麗に仕上げをしなくても、人に楽しんでもらうことはできるんです。
でも、『左ききのエレン』のかっぴーさんとも話していたのですが、「バズること」と「買ってもらえること」は違う。私の考えでは、「お金を払ってまで欲しい」と思える作品になれるかは、愛着を持ってもらえるかどうか、だと思います。
作家としてもキャラクターとしても、「この子の未来がどうなるか知りたい」「友達や子どもにも見せたい」とどうやって思ってもらえるか。『ちはやふる』でいうと、43巻も出てるので、引越しのたびに選別にかけられる存在なんですね(笑)。新居にも持っていくか、電子に切り替えるか……。いつも戦っているんです。
もっとも女性差別のない仕事
漫画家ほど、性差のない仕事ってないと思います。
新人作家だと少年誌と少女誌では原稿料のスタートラインがちょっと違うという話はありますけれど、そこから先は実力次第。「女だから」と冷遇されることもないし、妊娠・出産するからといって干されることもない。だから女の子には特に、漫画家になることを勧めたいですね。
だからこそ、一人一人が「自分の欲しいものはこれだ。自分が提供できるのはこれだ」というところを突き詰めて考えることが大事だと思います。
例えばお金が欲しいのなら、ストーリー漫画ではなく企業PR漫画の方がお金になるかもしれません。自分の好きな漫画を描くことを続けたいなら、ファンを増やして少額でも支援してもらうシステムのなかで頑張る。いまはそのプラットフォームも充実しています。
私は絵が綺麗な漫画が好きなのですが、すごく描き込まれていてもスマホの画面だと逆に線が見づらかったりもします。でも逆に美しい作品を作りたいという人は、贅沢品・アート作品としての漫画をつくる、という戦略もとれますよね。
いずれにしても、書きたいことの軸はしっかり持ちつつ、色々なフォーマットに自分を合わせられないといけないと思います。
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『ちはやふる』作者が語るネット時代の漫画家論 ── バズると買ってもらえるは違う(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース
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