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Monday, February 24, 2020

連続赤字の「いきなり!ステーキ」回復のヒントはワタミのV字復活 - livedoor

拡大路線は破綻?

 諺に「悪名は無名に勝る」とは言う。しかしながら、「いきなり!ステーキ」の現状は、どうなのだろうか。

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「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスは2月14日、2019年12月期決算を発表した。純損益は27億円の赤字、2年連続の赤字だった。

 当然ながら多くのメディアが報じたが、朝日新聞デジタルの「いきなり!ステーキ、2年連続赤字 店同士で客奪い合う」(2月14日・配信)は、理由を次のように解説している。

《売上高の8割を占める「いきなり!」は、13年の初出店から約490店まで急速に出店を伸ばしたが、近隣の店舗同士で客の奪い合いが起きたという。このため春までに44店を閉店する方針で、店舗の減損として27億円を計上した》

「いきなり!ステーキ」で、自社店舗の競合が問題になっていたのは事実だ。とはいえ、拡大路線の失敗は今に始まった話ではない。

「いきなり!ステーキ」の現状は(いきなり!ステーキオフィシャルサイトより)

 デイリー新潮では18年12月、「『いきなり!ステーキ』が全国展開完了も、“もう成長は頭打ち”と言われる理由」との記事を配信した。

 この頃、「いきステ」は絶好調だった。運営するペッパーフードサービスは18年9月、日本外食チェーンとして初めてアメリカのナスダックに上場を果たした。11月には秋田市に363店舗目の「いきステ」を出店し、全都道府県への展開を成し遂げた。

 ところが外食産業の専門家は、もう“危機の予兆”を感じ取っていたのだ。

 この年の3月には売上が落ち込み、5月には東京証券取引所で株価が下がり始めた。更に同じ月にはステーキの値上げを断行したが、これで退潮が鮮明になってしまった。

 デイリー新潮の記事では「外食産業を取材する記者」が、「いきステ」で夕食をとった感想を明かしている。

《「300グラムのリブロースステーキと、ハッピーアワーで半額の260円になっていた赤のグラスワインを2杯。会計は消費税を入れて3000円を超えました。リブロースは当初1グラム5.5円、かつては300グラムが税別で1650円、今は1グラム6・9円で2070円です。率直に言って、かつての『安くて、おいしい』という店とは違ってきています」》(註:一部の記述を修正した)

 この記者は値上げの悪影響を指摘した上で、「いきステ」の拡大路線に警鐘を鳴らした。

《「外食産業には『チェーン店の客単価は2000円が限界』という説があります。メニューの価格を上げる背景には原材料費・人件費の高騰があり、これからも値上げを強いられることになるでしょう。『いきなり!ステーキ』が今の魅力を維持するなら、2000円超の客単価で店舗数を増やし続けるのではなく、そろそろ適正規模を考える時期だと考えます」》

ワタミのV字回復とは?

 冒頭で紹介した朝日新聞の記事で、「いきなり!ステーキ」側は「春までに44店舗を閉店する」と対応策を説明している。

 しかしながら、ここ最近「いきステ」のイメージ悪化は著しい。“店のリストラ”は遅きに失した感と、対象店舗数が少ないという印象は拭えない。

 フードサービス・ジャーナリストの千葉哲幸氏は「消費者の『いきなり!ステーキ』に対する意識は、“高揚感”がなくなっています」と指摘する。

「『いきなり!ステーキ』は価格を劇的に下げることで、『毎日でもステーキが食べられます』と消費者にメリットを提示しました。おかげで快進撃を達成しましたが、消費者は次第に“満腹”になっていったのでしょう。SNSなどで『美味しくない』、『意外に高い』、『肉が固い』との声が出ていますが、これは『毎日のようにステーキを食べたいわけではない』という意思表示が根底にあると思います」

 千葉氏は「たとえはあまり良くありませんが、美女の水着写真を『セクシーだな』と気に入っても、それが街中に貼ってあったら『もう結構』と思うのと同じです」と解説する。

 1990年代、突如としてヘアヌードブームが起こったことがある。雑誌の売上は伸び、高額な写真集が飛ぶように売れていったが、数年で収束してしまった。「いきなり!ステーキ」の人気も、これに重なって見えるというのだ。

「『いきなり!ステーキ』の経営を分析すると、『できる限り牛肉を安くする』と『店舗数こそ力なり』という2つの方針が浮かび上がります。これは正直に申し上げて、昭和の遺物と言わざるを得ません。現在、日本の外食産業は多様化が進み、何でも食べられる時代になりました。しかしながら、それでも庶民にとってステーキとは、依然としてハレの日のご馳走なのです。子供が入試に合格したから食べる、ボーナスが出たから食べる、という具合です。この価値観は強固なものがあります」(同・千葉氏)

 閉店数が44店舗で終わるはずもなく、店舗数はかなり減少することが予想される。何しろ「いきなり!ステーキ」というブランドには期待感が薄まる一方だからだ。

 千葉氏は「居酒屋チェーンのワタミが業績をV字回復させた方法を見習うしかないと思います」と言う。

「2010年代にワタミはブラック企業という批判を浴び、一時は人気が低下します。13年3月期に赤字転落しましたが、18年3月期に苦節5年で黒字転換しました。その秘訣として挙げられるのが『和民』から業態転換した『ミライザカ』『三代目鳥メロ』のヒットでした。つまり『ワタミ』という負のイメージを切り捨て、店名を変えて挑戦した新業態によって復活することができたのです。『いきなり!ステーキ』はブラック企業ではありませんが、現状不採算の店を閉めて、ペッパーフードサービスの資産である牛肉を中心にした新業態に転換するべきだと思います」(同・千葉氏)

週刊新潮WEB取材班

2020年2月25日 掲載

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February 25, 2020 at 03:58AM
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