新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く中、感染症の対策や歴史などを特集した書籍が相次いで出版されている。2月中旬に発売された「ビジュアル パンデミック・マップ」(日経ナショナルジオグラフィック、2860円)は、過去に流行したペストやSARS(重症急性呼吸器症候群)など、20の感染症を分かりやすくまとめている。(久保 阿礼)
「天然痘以外に人類が根絶できた人の伝染病はまだない」「本書で示す地図、それぞれの背後には人類が味わってきた恐怖と苦しみがある」。世界5大医学雑誌の一つ「ランセット」などに寄稿する著者で医療ジャーナリストのサンドラ・ヘンペル氏は感染症について、こう記している。
本の表紙には、鳥のようなマスクを着用したイラストを大きく配置した。17世紀の医師はペストの感染を防ぐため、香料を詰めたくちばし状のマスクをした上で「防護服」を着用し、診察したとされる。読み進めていくと、感染症を描いた当時の挿絵や感染地域を示した世界地図などが目に留まる。感染症がどの地域で発生し、病原体は何か。症状や流行の状況、予防や対策などがひと目で分かるようになっている。
空気感染する結核も取り上げられている。せきや胸の痛みなどを伴うこの感染症の起源は、約9000年前のこと。流行を繰り返し、2016年には世界で約630万人が感染、約180万人が死亡している。結核予防で使用されるBCGワクチンだが、新型コロナウイルスでも重症化を防ぐ効果があるとされ、オーストラリアなどでは治験を始めたと報じられている。
書店に足を向ければ、感染症関連の本を並べている店も多い。中でも、ひときわ目をひくこの「ビジュアル パンデミック・マップ」は早くから注目が集まり、発売前から予約が殺到。書店やインターネット通販大手「アマゾン」ではベストセラーとなり、品薄状態になった。担当者によると、ナショナルジオグラフィックは地図やイラストなどを重視しており、インフルエンザ、はしかなど日本でも流行する感染症が取り上げられていることから、昨年夏に出版を決めた。
「SARSの項目では『新たなウイルスがいつ出現してもおかしくない』と書いてあるのですが、まさかそのタイミングに(出版時期が)重なってしまうとは予想外でした。編集に関わった人間は、みな普段から手洗いとうがいをしっかりすることが大事と口にしていました」(担当者)
専門用語をなるべく使わず、視覚的にも印象に残るようレイアウトされ、読者からの反響も上々だ。「世界中に新型コロナウイルスの感染が拡大する中、全ての人に勧めたい」「ありそうでなかった本。これを読めば人類が歴史の中で伝染病とどう闘ってきたかが分かる。豊富な図版でとても読みやすかった」などの感想が寄せられた。
世界的な流行により、猛威を振るう新型コロナウイルス。過去の感染症を知ることで、未来に向けた視点を得ることができるかもしれない。この感染症を含めた改訂版の出版について、担当者は「流行が終息したのちに振り返り、分析した内容を補えればと考えています」としている。
◆「ビジュアル パンデミック・マップ」に掲載されている感染症 ジフテリア/インフルエンザ/ハンセン病/はしか/しょう紅熱/SARS/天然痘/結核/コレラ/赤痢/腸チフス/マラリア/ペスト/発疹チフス/黄熱/ジカ熱/ポリオ/エボラ出血熱/ヒト免疫不全ウイルス(HIV)/梅毒(掲載順)
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April 11, 2020 at 10:00AM
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コロナ対策のヒントがここにある…「ビジュアル パンデミック・マップ」視覚で伝える伝染病の歴史 - スポーツ報知
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