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『あしたのジョー』など数々の名作を生み出してきたマンガ界のレジェンド・ちばてつやさん。最新作『ひねもすのたり日記』を出すなどいまも精力的に活動を続けるちばさんは、無類の読書家としても知られる。今回、そんなちばさんの担当を務めたことのある編集者・石井徹(まんが学術文庫)が特別インタビュー。ちばさんが語った「文学とマンガ」「創作秘話」、そして「いま」と「これから」――。
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あらゆる本を読んだ
――以前、先生とヤングマガジンでお仕事した時の、最終的に『トモガキ』というタイトルになった作品ですが、そのタイトルを決めるときのこと、覚えてますでしょうか?
うーん、そんな昔の話されても覚えてないですよ(笑)。『トモガキ』描いたの、何年前だろう、あれは20年くらい前?
――11年前ですね。それで、ノーベル賞を取った湯川秀樹さんの座右の銘の「急がず休まず諦めず」という言葉がありまして、私が「これをタイトルにするのはどうでしょうか」って先生に申し上げたんです。そしたら、先生が「石井君、それゲーテの言葉だよ」っておっしゃった。
確かね。「急がず休まず」ってのはゲーテの言葉。私の記憶ではそうです。
――そのときに、先生が「石井君もゲーテ、読んでるだろう?」っておっしゃったんで、私も思わず「はい」って嘘をつきまして(笑)。先生はドイツ文学だとか、よく読まれていた?
ドイツ文学だとか、そういうことじゃなくて、本っていうものを、いろいろ読みました。雑誌も読んだし、文学も読んだし、新聞小説から何からね。昔の人間はよく本を読んだんですよ。
うちの両親が、確か『主婦の友』の編集さんだったんですよ、両親共ね。だから両親とも文学青年と文学少女だったんです。
中国――私は物心ついた時には中国にいたんですけど、壁と言う壁はもう全部、本で埋まってました。上の方には難しい大人の本。一番下の棚は、絵本から始まって少年文学全集だとか、子供たちが読んでいいような本がズラーっと並んでいた。
私は4歳ぐらいから字が読めるようになっていたんで、片っ端から、椅子を少しずつずらしながら本を読んで。昔の子供の本だから字が大きいし絵本もあったんで、読むと言うより眺めると言う感じでしたけどね。それくらい本に親しんで育って来たんで、本が大好きだった。だからあらゆる本を読みましたね。
私がマンガを描く上で、むかしに読んだ童話とか、少年少女文学全集、そういうものが私の引き出しの中にたくさん入っていて、それを織り交ぜながら表現していった、というのはありますね。あと、本だけじゃなくて映画を見たり落語を聞いたりお芝居を見たり、そういったのも全部引き出しになっていると思います。
中国から引き上げて来るときに、弟が退屈ですぐ泣くんです。それで「子ども泣かすな!」って怒られると、私が小さい声でお話を紡いで聞かせてやった。それはまあ、いろいろ読んだ本を織り交ぜてお話を作っていたわけですけれども。そういう意味では、あれが、お話を作った原点ですね。
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