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Sunday, July 19, 2020

和気一作さん漫画「放射線を浴びたX年後」ビキニ被ばくを後世に - 高知新聞

漫画のゲラ刷り。漁船員だった父親も被ばくした可能性があることを知り、涙ながらに執筆を決意する和気一作さん本人の描写(右端)も

漫画のゲラ刷り。漁船員だった父親も被ばくした可能性があることを知り、涙ながらに執筆を決意する和気一作さん本人の描写(右端)も

父も現場海域に出漁 「当事者の苦悩知って」
 米国が1950年代に太平洋・ビキニ環礁で行った水爆実験で被ばくした高知県内の漁船員たちを描いた漫画「放射線を浴びたX年後」が完成した。手掛けたのは、人気漫画「女帝」で知られる室戸市出身の和気一作さん(64)=本名・大黒正仁、南国市大埇甲。被ばくした可能性がある漁船員だった父への思いを胸に、被害の事実や当事者の苦悩を伝えている。
 
「事件を後世に残したい」と執筆に打ち込んできた和気一作さん(南国市の自宅)

「事件を後世に残したい」と執筆に打ち込んできた和気一作さん(南国市の自宅)

 約半世紀後の船員の姿を伝える同タイトルのノンフィクションが原作。南海放送(愛媛県)のディレクター、伊東英朗さん(59)が、室戸市から宿毛市まで当事者への取材を重ね、集めた証言をまとめている。
 
 和気さんの父、敬鋭(ひろとし)さんは、胃がんで46歳の若さで他界。水爆実験が行われていた頃、現場海域に何度も出漁していた。5年前、元船員を支援する同郷の女性に薦められて原作本を読み、「父は普通のがんじゃない。放射線が影響していたのかもしれない」と考えるようになった。
 
 「自分には漫画しかない。この事件を描かなきゃいけない」と決意した和気さん。約3年半かけて仕上げた今作は、他の仕事を後回しにしてまで描き続けた渾身(こんしん)の一冊だ。
 
 「魚は沖の方へ捨てた」「同年配が50、60歳でガンで死んだ」「子孫が差別を受けないよう被ばくを隠した」―。無念さをにじませながら当時を振り返る船員や遺族。彼らの苦悩が、リアリティーある力強い描写と共に迫ってくる。
 
 和気さんは、「生前、父に何もしてやれなかったという後悔と、後世に残さないといけないという責任を感じている。決してひとごととは思えない事件を、多くの人に知ってほしい」と訴えている。
 
 B5判216ページで1800円(税別)。7月下旬に愛媛県内の書店などに並ぶ。その後、高知県内での販売も計画している。問い合わせは松山市の創風社出版(089・953・3153)へ。(小笠原舞香)

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July 20, 2020 at 06:35AM
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