『武器になるグローバル力 外国人と働くときに知っておくべき51の指針』(岡田兵吾 著、KADOKAWA)の著者は、マイクロソフト シンガポールアジア太平洋地区ライセンスコンプライアンス本部長。過去にも著作をご紹介してきたので、ご存知の方も多いと思います。
新刊である本作は、さまざまな立場でグローバルビジネスに関わっている方々を想定して書かれたもの。根底にあるのは、ニューノーマルのなかで「グローバル力」の必要性は今後いっそう高まるだろうという確信だそうです。
つまりここでは、今後のグローバル社会をポジティブに生き抜くためのメソッドを多角的に紹介しているわけです。
外国人と働く中でビジネスパーソンが感じる疑問に答えながら、今の時代だからこそ私がみなさんにアドバイスしたいポイントもコラムとして盛り込み、「武器になるグローバル力」として51の指針に整理しました。
海外で求められる「Growth Mindset(成長思考)に基づくグローバル仕事術から、グローバル社会と日本との「働き方」「マネジメント手法」「仕事観」「人生観」などの相違、それらを踏まえた外国人とのコミュニケーションのポイントから国境をまたいだオンライン会議のコツまで、51の指針では幅広いテーマを抑えました。(「はじめに」より)
そんな指針のなかから、2つをピックアップしてみることにしましょう。
海外グローバル企業では、ポジティブな人にしか仕事がこない
外国人の上司に仕事を頼まれたとき、その仕事に自信がなかったので 「自分にできるかどうかわかりません」と言ったら、そのあと仕事を任せてもらえなくなったような気がします。
言い方がまずかったのでしょうか。(50ページより)
この点に関して著者は、「海外グローバル企業ではいつもポジティブに!」という原則を強調しています。
どんな場面でも、求められるのは「Can do!」の姿勢。仮に自信がなかったとしても、「考えさせてほしい」ではなく、「やります!」「やってみます!」というべきだということ。
もちろん、「自信がないのに『やります』などと無責任なことは口にできない」と考える方もいるでしょうが、海外グローバル企業では、できそうにないときでもまずは「Yes(やります)」とポジティブに答える姿勢が求められるわけです。
自信がないのであれば、その理由を考え、「○○について説明していただければできると思います」「○○さんにサポートしていただければできます」というように、「どうすればやれるか」に関する条件をはっきり伝えればいいのです。
そもそも、「やります」と言える人にしか仕事が回ってこないのが海外グローバル企業。一人ひとりが仕事に責任を負い、自分の考えに基づいて判断を下すことが求められる文化だということ。
「ちょっと考えさせてほしい」「○○さんに聞いてからご返事します」というような対応をしたのでは、「判断力に欠け、仕事ができない」という烙印を押されかねないのです。
しかしそれは、「前向きに取り組む人であれば仕事が集まってくる」ということでもあるはず。
つまりは、そのような姿勢でいれば職責や仕事の規模が広がって、評価も高まるというプラスのサイクルに入ることも可能だということです。
私自身について言えば、「失敗してもポジティブであればいい」と考えています。
実際、自分がベストを尽くしても目標を達成できないことはあります。 しかし、そのような場面でもポジティブであればいいのです。(53ページより)
たとえば150の目標を立てたのに130の結果で終わったとします。
そんなときに大事なのは、達成できなかった20の部分について「どのようにうまくいかなかったか」を分析し、そこから得た学びに基づいて「来季に再チャレンジして、今度は絶対にうまくやれるよ!」と言えること。
いいかえれば、海外グローバル企業では「失敗しない人」ではなく、「失敗するかもしれなくてもポジティブにチャレンジする人」、「そこから学んでポジティブに再チャレンジする人」が求められているということです。(50ページより)
「外資系企業は厳しい」というイメージは必ずしも正しくない
外資系企業は人をすぐクビにするなど厳しいイメージがあります。 今後のキャリアプランを考える上で、 外資系企業を選択肢に入れるかどうか悩んでいます。(58ページより)
外資系企業には「すぐ人を切る」「みんな短期間で転職していくドライな風土」といったイメージがありますが、それは必ずしも正しくはないのだとか。
たしかに外国人の多くは、キャリアアップのためなら転職をいとわないもの。とはいえ誰もが短期間で転職するわけではなく、ひとつの会社に10年以上勤め続けるケースも多いはずです。
長く同じ会社に勤め続けられるのは、そこで働くことによって満足できるキャリアが形成できる場合。会社としても、優秀な人に長く働いてほしいと考えるのは当然です。
つまり海外グローバル企業では、従業員にいかに働きがいを感じてもらうか、長く働きたいと思える組織にするためにはどうすればいいかということを真剣に考えているわけです。
近年、多くの海外グローバル企業が組織の健全性や働き方の自由度を高めようとしているのも、Diversity(多様性) & Inclusion(包括性)を重視するのも、従業員一人ひとりが自分の存在価値を感じられるようにすること、日々楽しんで働ける組織を作っていくことを目指してのことなのです。(60ページより)
もちろん、海外グローバル企業の人材に関する考え方は、日本企業と大きく異なるでしょう。
海外企業は「ジョブ型」、日本企業は「メンバーシップ型」などと言われますが、海外企業は必要な職務に対応できる人を採用し、必要最低限のチームで業務を行うのが一般的。
もし会社の方針で、チームが担う業務そのものをなくすことになれば、ポジションがなくなってクビになる可能性も高いわけです。
日本企業の感覚からすれば厳しく見えますが、海外グローバル企業では「もし、いまの会社に自分のポジションがなくなったとしても、自分が担える職務に応じて別の会社にポジションを求めればよい」という考え方が主流だということです。
そもそも海外グローバル企業では人材の流動性が高く、「出戻り」も一般的。別の会社で経験を重ね、キャリアアップして元の会社に戻るケースも珍しくないということです。
私自身は、人がどんどん入れ替わる組織はチームがマンネリ化することがなく、職場の風通しもよいと感じます。辞めたければ「キャリアアップのためです」という理由でスパッと辞められますし、また戻ってきてもよいわけですから、海外グローバル企業の人材の考え方は利点ばかりのように思えるのです。(61ページより)
あるいは外資系企業に職を求めるのではなく、別な手段も考えられます。
オープンな社風でグローバル展開している日本企業を選び、キャリアを積んでいくのも選択肢のひとつだと考えることもできるわけです。(58ページより)
*
「ニューノーマル」の世界では、これまで以上に相手の国々の文化や思考を理解し、コミュニケーションすることが求められるはず。
その点を踏まえた本書は、彼らから「Trust(信頼)」と「Respect(尊敬)」を得られる力がつくことを念頭に置いた、外国人とのコミュニケーションの本質にも迫る内容だと著者は自負しているそう。
実際の長きにわたるグローバル経験が軸になっているだけに、参考にする価値は大いにありそうです。
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Source: KADOKAWA
Photo: 印南敦史
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September 29, 2020 at 04:30AM
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