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Sunday, October 25, 2020

コントレイルの危機に、福永祐一「マズいな…」 客席も悲鳴の菊花賞を制した底知れぬ力(島田明宏) - Number Web - ナンバー

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 またひとつ、日本の競馬史に輝かしい金字塔が打ち立てられた。

 第81回菊花賞(10月25日、京都芝外回り3000m、3歳GI)で、圧倒的1番人気に支持されたコントレイル(牡、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。1984年シンボリルドルフ、2005年ディープインパクト以来、史上3頭目の無敗のクラシック三冠制覇を達成した。前週、デアリングタクトが史上初となる無敗の牝馬三冠制覇をなし遂げている。牝牡による同一年の三冠制覇も史上初のことだ。

コントレイルは掛かり気味で接戦に

 単勝1.1倍という数字から期待されたような楽勝ではなかった。

 最後の直線、福永祐一を背にしたコントレイルは、外に併せたクリストフ・ルメールのアリストテレスと激しく叩き合った。一瞬、アリストテレスにかわされるかに見え、制限付きで入場していた1000人ほどの観客から悲鳴が上がった。

 叩き合いはゴールまでつづき、コントレイルが首差だけアリストテレスの猛追をしのいで栄冠を手にした。

「思っていた以上に接戦になり、相手の脚色もよかったので、何とかしのいでくれという気持ちで追っていました。馬がよく応えてくれて、最後まで抜かせなかった。あらためてすごい馬だと思いました」

 福永は激戦をそう振り返った。

 コントレイルは、1周目の3コーナーからずっと、道中アリストテレスに外から密着マークを受ける格好になった。

「スタートはある程度よかったのですが、そのあと、折り合い面で上手くリラックスさせることができませんでした。ずっと2着馬が斜め後ろにいて、プレッシャーをかけてきた。それもあって、馬がずいぶんエキサイトしていました」と福永。

 芝の内側が傷んでいたので、少しでも馬場のいい外に持ち出したかったところだが、アリストテレスに外を塞がれ、閉じ込められてしまった。

 福永が言うように折り合いを欠いて掛かり気味になったのは、緩いペースに我慢できなくなったのではなく、外に馬がいることにカッカしてしまったのだろう。

【次ページ】 「相手も手応えがよく、マズいなと思いました」

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