ホテレスも無事終了し、次の活動の準備をしていますが、ホテレスで感じたことや考えたことが頭から離れません。
ホスピタリティデザインセミナーでは「ハイブリッドな旅館」で空調、浴室、厨房の話をしました。
厨房についてはNRTシステムの畑代表に登壇していただきました。ガスコンロとIHクッキングヒーターの比較では、IHの効率が倍なのでエネルギーコストはほぼ同じで、IHの輻射(ふくしゃ)熱が少ない分、厨房環境に与える面では良いです。微妙な火加減が必要な和食においてはガスコンロが向いていますが、同時開催の厨房機器展に鍋の大きさを選ばず、無段階調節のIHクッキングヒーターが展示されていたので今後は使い勝手にも差がなくなると思います。コンベクションオーブンでは電気の方が使い勝手が良く、CO2排出量削減とイニシャルコストを比較しながら厨房のハイブリッド化を進めたいです。
厨房配置は配膳スペースが広い団体客向きから、客席と調理場が近接した個人向きとして生産性を向上した実例が紹介されました。また、団体宴会向きのラウンド型の食器洗浄機を、前洗いを減らし、排熱回収型食器洗浄機に入れ替えて年間600万円コストを減らした話がありました。1次加工品のクオリティも向上し、厨房を中心にした「食」についての考え方も大きく変わると思います。
海外に目を向けると、ベルギーでは風力発電の占める割合が50%に迫り、売電価格も5円/キロワットアワーを切るなど、再エネがCO2排出量削減でなく経済の話になっています。
ドイツ市民の間ではカーボンフットプリントの計算がはやり、暖房、電力、旅行データなどを入力しているようです。航空機での移動が多いビジネスマンは車を持たずに自転車を使うとかして、CO2排出量をコントロールすることがスマートな生活スタイルになっています。ドイツ市民の年間平均CO2排出量は11.6トンで、1日にすると32キログラムCO2となり、これには交通、食事、消費生活を含んでいます。
旅館ではエネルギー由来のCO2排出量が40キログラムCO2程度になっていますが、ヨーロッパのインバウンドの人たちがこの数値を受け入れることは難しいと思います。
CO2排出量を抑えることは燃費が良くなることで、利益が増えます。
日本での再エネやCO2排出量削減の話は世界標準から遅れてガラパゴス化しているように思えてなりません。現実を数字で捉え、やるべきことに向かって進みたいと思います。
からの記事と詳細 ( 【道標 経営のヒント 272】旅館のカーボンフットプリント 佐々山建築設計社長 佐々山 茂 - 観光経済新聞 )
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