独立系中堅証券の藍澤証券は、金融商品をあえてアピールせずに顧客の懐に入る取り組みで営業基盤を拡充している。とりわけ全国の営業店が地元商店の販路開拓などを支援して築いた信頼関係を生かし適切なタイミングで金融商品を提供したり、何気ない会話から金融ニーズをくみ取ることにも注力したりして営業成果に結び付けている。新型コロナウイルス禍で顧客の心をつかむのに一層時間もかかる営業スタイルで大手証券との差別化を図る。
藍澤証券は主に関東を地盤とする100年以上の歴史を持つ老舗。アジア株を多く取り扱うことなどで知られる。顧客へのアプローチを変えるきっかけとなったのが、令和元年8月に開設した「アイザワほっとプレイス」。全国53店舗の営業担当者が目に留めた地元名産品を紹介する社内向け掲示板で、200を超える商店が食品や雑貨、インテリアなどを出品している。
担当者は、掲載に必要な商品情報などを集めるため商店を何度も訪問。あくまでも売り上げ拡大への貢献を目的としているため、店主も好意的に応じる。顧客視点に立っていろいろな会話を交わすうちに関係を深めていき、金融商品は差別化が難しいといわれる中で「選ばれる証券会社」になれるという。
「自分の商売の話より、こちらのことを思う気持ちがうれしい」。こう話すのはレストラン「サンアロハ」などを手掛けるビックバン(横浜市中区)の平古場潤代表取締役。
アイザワほっとプレイスへの出店要請に訪れた藍澤証券鶴見支店(同鶴見区)の担当者から「(レストランの知名度向上の)お役に立たせてください」といわれたことを意気に感じ、新規に口座を開設し米国株や投資信託などを購入した。さらに「安心して運用を任せられる」といって店長を紹介した。担当者が懐に入り込んで売り上げと知名度の拡大に協力する姿勢に対し感謝の気持ちを表した格好だ。
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