PT TORINOとは?
イタリアのパンツ専業ブランドとして日本でも、ファッション通の人気となっている「PT TORINO(ピーティートリノ)」をご存知でしょうか。かつては、「PT01(ピーティーゼロウーノ)」というブランド名で人気を得ていたブランドです。
「メンズファッションにおいて、そのコーディネートの主役となるのがパンツである」というコンセプト(PT TORINO側の正式な文言は違います。これは勝手な解釈です)のもと、イタリア・トリノで4代続く名門生地メーカーであるコーベル社のオリジナルパンツブランド「COVER」を前身として2008年に誕生したブランドです。
そんな背景から誕生した当初のブランド名「PT01」は、「パンツブランドの中でNo.1を目指す」という意味を込めた「PANTALONI TORINO 01」の略称とのこと。
着こなす者のボディラインをさらに美しく演出してくれる絶妙のシルエット、さらにセンスあふれる生地選びに仕立て、そこに遊び心あるディテールが加わった当時「PT01(ピーティーゼロウーノ)』のブランド名でデビューしたパンツのラインナップ…。
ハンガーラックに並んでいるだけで、その発色から見惚れてしまうほどのバリエーションも功を奏し、たちまち世界中のファッショニスタたちの話題となりました。当の私も…。当時のイタリア最大のメンズファッション展示会「PITTI IMMAGINE UOMO」で初めて目にしたときには、圧倒されるほど感動を得ました。今も、そのときの胸の高鳴りは鮮明に記憶しています。
当時は、クラシック一辺倒であったドレスパンツの世界に、新たな価値観をわれわれに植えつけたくれた…まさにマーベリック=革命児な存在です。 幅広いデザインソースから表現された多彩なそのバリエーション。 各モデルにはテーマを設定されていて、パンツという限られた世界の中に独自のストーリーが描き出されている…このパンツに脚を通しただけで、着こなすことがポジティブかつハッピーに感じさせてくれます。
PT TORINOと私の出合い
そう、私はこの「PT TORINO」の前段である「PT01」に出合ったのは、2015年前後のイタリア・フィレンツェ出張の際。もちろん会場は、「PITTI IMMAGINE UOMO」です。初めてブースを覗いたときは、呆気にとられました。さらに、このパンツは“モードなのか?”、“いやいやクラシックだろう!?”と心は揺さぶられました。さらにディテール各所を観察すれば、数々の職人技による確かな仕事が確認できるわけです。そこには“トラディショナル(伝統)”と“アヴァンギャルド(革新)”が絶妙のバランスで融合され、時代の息吹を伴ったケミストリーを起こしていたのです。
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そこで試着を試みると…。前述のとおり、ひとたび脚を通せばヒップから太股にかけて包み込みこまれるような抜群のはき心地を感じさせてくれました。膝から裾へと美しくシェイプされたシルエットを両立していることに驚かれることでしょう。それは現代性を取り入れつつ、体型に沿った普遍的なスタイルであり、日々穿(は)くことで魅力はさらに深まります。
“Fashion & Passion”にも
心打たれて現在も愛用中!
パンツという、個人的にこれまで蔑ろにしていたファッションアイテムの価値観を、ここでグッと引き上げてくれたのです。このアイテムと出合った私は、それ以来、日々の着こなしへの楽しみが倍増。現在ではその名を「PT TORINO」と改名はなされていますが、(私にとって)究極のパンツであることに代わりはありません。全てに「優れた仕立て」が施され、「上質な生地」と「唯一無二のシルエット」で私の日々の生活をポジティブにしてくれると言っていいでしょう。
「PT TORINO」がパンツに、そしてファッションにかける情熱は常に進化を続けています。とは言うものの、シーズン毎にシルエットが太くなったり、細くなったりする目先の斬新さを単に追うのではなく、時代の息吹を感じながら美しいパンツスタイルと何か?を追求した結果を絶妙のバランス感覚で提案してくれるのです。そう、その感覚が小川の感覚にズバリ共鳴するのです。言ってみればそれは、時代にふさわしいパンツの黄金比を常に探求しているということ。その根底にあるのは、イタリア人が持つラテンの魂のような“Fashion & Passion”。そんな「PT TORINO」は常に私を、ワクワクさせてくれるのです。
さて本題はこれから…
なんとPT TORINOが
トータル提案へと進化した
これまで“脇役”とされてきたボトムスの重要性…特に着こなしのシルエットの要となるその存在価値を世に広めた「PT TORINO」は、紛れもなく“パンツのプロフェショナル”であることは確実です。特に私にとっては、ファッションにおける師匠的存在です。これまで蔑ろにしてきたパンツの重要性を、具体的かつ明確に教えてくれたのです。
そしてそんな「PT TORINO」が突如、2022年春夏よりトータル提案をぶちかましてきたのです。これを知ったとき、「え、大丈夫?」と呟いてしまった自分を今では反省しています。私は一瞬、「売りに走ったのか? これまでのパンツのクオリティは維持できるのか?」なんて考えてしまったのでした…。
いやいやそれは、大きな勘違いでした。
展示会でチェックすれば、ブランドのアイデンティティであるボトムスのクオリティはそのまま…いやむしろ、広がりのある進化を遂げています。広角打法のリードオフマンのような、その信頼はさらに厚く(熱く)なっていました。
コーディネートの可能性を拡大し、さらにその逆のベクトルも作用してボトムスへの発想も拡大していることが感じとれました。ブランドをトータルへと進化されることで、その主軸であったボトムスの進化にも影響をおよぼす…まさのシナジー効果の好例を観ているようでした。
これまでは「PT TORINO」(カテゴリー:BUSINESS、TRAVEL、EDGE、REWORKEDなど)「PT TORINO DENIM」(モデル名:ROCK、REGGAE、SWING、HOUSE、JAZZなど)から、さまざまなボトムスを展開してきた「PT TORINO」ですが、2022年の春からは新たに「PT TORINO TOTAL LOOK」レーベルを展開。スペシャリティブランドからライフスタイルブランドへと生まれ変わったというわけです。
2022年SSの展示会で注目した
「PT TORINO TOTAL LOOK」のアイテム
そんなわけで私も、「PT TORINO」と共にシナジー効果で着こなしを進化させるよう努めてまいります(笑)。
●商品が気になる人は…
PT JAPAN
TEL 03-5485-0058
公式サイト
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からの記事と詳細 ( 【編集長コラム】PT TORINOからヒントを得たパンツが主役のコーディネイト学 - Esquire(エスクァイア 日本版) )
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