日本球界を代表するサブマリンとして、西武、楽天で活躍し、今季は台湾プロ野球の中信兄弟でプレーした牧田和久投手(37)が現役引退を決断したことが24日、分かった。12年間の現役生活にピリオドを打つ牧田はスポニチ本紙を通じて感謝のメッセージを寄せた。
牧田は日本通運から10年ドラフト2位で西武に入団。11年は5勝22セーブで新人王を獲得し、12年は自己最多の13勝をマークした。地面スレスレの位置から繰り出す緩急自在の投球で、先発、中継ぎ、抑えと幅広い役割をこなした。国際大会でも実力を発揮。WBCには13、17年と2度出場し、17年は小久保監督の下で侍ジャパンの守護神も務めた。この経験が刺激となり「世界を見ることも野球人生のプラスになる」と18年に33歳でメジャーに挑戦。パドレスで27試合に登板した。
20年に楽天で日本球界に復帰。21年に自由契約となったが、現役にこだわり、今年5月に中信兄弟と契約した。台湾では6試合の登板に終わり、外国人枠の関係で9月12日に退団していた。
今後は未定だが、日米、台湾での経験を野球界に還元していきたい考え。サブマリンは近年「絶滅危惧種」とも言われる。昨年1月には西武・与座、ソフトバンク・高橋礼と合同自主トレを行い、下手投げの後継者に技術を伝えた。牧田にしか教えられないことも多い。常々「魅力のある投げ方。子供たちが少しでも興味を持ってくれれば」と話していた。関係者によると、指導者の道を志したい意向も持っているという。
≪牧田からのメッセージ全文≫
プロ野球選手生活12年間、いろいろな方に出会い、自分に携わってくださった方々全てに感謝したいです。
特に7年間、在籍させていただいた埼玉西武ライオンズの渡辺久信GM(当時監督)、小野和義さん(当時投手コーチ)には、先発、中継ぎ、抑えといろいろな経験やWBCに出場させてくださったり、ポスティングでMLBに行かせてくださったりと心から感謝しています。
そして、今まで応援してくださったファンの皆さまありがとうございました。ケガのない丈夫な体に育ててくれた両親。妻や娘には、野球選手という姿を長く見せられなかったですが、最後まで僕を支えてくれました。本当に感謝しています。
今後はこの恩をどんな形でも返していきたいと思いますし、自分がチームや選手たちをサポートしていきたいです。
12年間という長いようで短い時間でしたが、いろいろな経験ができました。今まで本当にありがとうございました。
牧田 和久
◇牧田 和久(まきた・かずひさ)1984年(昭59)11月10日生まれ、静岡県出身の37歳。静清工1年時にアンダスローに転向し、平成国際大―日本通運を経て、10年ドラフト2位で西武入団。17年オフにポスティングシステムを利用してパドレスに移籍。20年に楽天で日本球界に復帰した。今季は台湾・中信兄弟に所属。NPB通算成績は345試合で55勝51敗27セーブ、防御率2.81。1メートル77、88キロ。右投げ右打ち。
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