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Thursday, October 20, 2022

太田市在住・かわしまえつこさん 新作児童書 視点変われば新たな発見 次女の言葉ヒントに着想:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

新作「ねことわたしのまほうの日」を手にする作者のかわしまえつこさん=太田市で

新作「ねことわたしのまほうの日」を手にする作者のかわしまえつこさん=太田市で

 群馬県太田市在住の児童文学作家、かわしまえつこさんの新著「ねことわたしのまほうの日」がポプラ社から発刊された。女の子とネコの視点で日常を描く童話で、かわしまさんは「同じ世界に生きていても、視点が異なれば新発見があると知ってほしい」と、物語に込めたメッセージを語った。(小松田健一)

 かわしまさんは群馬大教育学部を卒業後、県内の高校や特別支援学校教員を経て、二〇〇二年に「十一月のへび」で「第十九回小さな童話大賞」(毎日新聞社主催、現在は終了)の最高賞の大賞を受賞して注目を集めた。〇九年には「花火とおはじき」(ポプラ社)で日本児童文学者協会新人賞を受賞した気鋭の作家だ。

 「ねことわたしのまほうの日」は、鉄棒の前回りができず、体育の授業が嫌いな小学校二年の「まい」と、オスの飼いネコ「クウ」の体が突然入れ替わる。まいの体になったクウはネコらしい柔軟性や俊敏さを生かして前回りを成功させた。一方のまいは、気楽に思えたネコの世界も大変なことが多いと知る。クウのライバルと婚約者を巡り決闘するのだが、その結末は−というストーリー。作画はほのぼのとした画風で人気がある、おくはらゆめさんが担った。

 かわしまさんは次女が中学生の頃、自宅で飼っているカメになりたいと話したのをヒントに着想し、自由で縛られないイメージがあるネコを選んだという。

 体の入れ替わりや動物とのふれあいなど、子どもが好む要素を盛り込み、楽しく読めるように工夫した。まいとクウの行動を通じて、苦手なことに挑む勇気や助け合いの大切さを語りかける。かわしまさんは「つらいことや悲しいことがあっても大丈夫だよ、という思いも込めました」。小学校低学年以上向けの作品だが「大人にも読んでほしいですね」と話した。

 A5判、八十八ページ。千二百五十円(税別)。

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