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Thursday, June 29, 2023

内田舞著ソーシャルジャスティスが説く分断を乗り越えるヒント - 日経ビジネスオンライン

THIS WEEK'S THEME 「炎上」と言論

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梶山 寿子

ノンフィクション作家、放送作家

『ソーシャルジャスティス』
内田舞著
1122円(税込) 文春新書

SNSでの炎上に象徴される、言論による分断や様々な差別を乗り越えていく道を、脳科学からのアプローチも含め、考えていく。

「コロナうつ」という言葉が生まれたように、新型コロナのパンデミックは人々のメンタルヘルスに多大な影響を及ぼした。SNS上の「炎上」や攻撃的なやり取りが世界中で増えたことも、不安やいら立ちの発露だと考えられているようだ。

 米ハーバード大学准教授で小児精神科医である著者も心無い誹謗(ひぼう)中傷の標的となった一人。きっかけは、3人目を妊娠中、世界でもかなり早い時期にコロナワクチンを接種したことである。勤務先の病院が接種後の写真(本書カバー)をSNSに投稿すると、日本のメディアからも取材が殺到。科学的な情報を提供すべく啓発活動を行ったところ、「最悪の母親」などの批判にさらされたのだ。なかには「死産報告書:死因は母親のワクチン接種」といった悪意に満ちたものも。応援コメントにも、女性や母親に対するマイクロアグレッション(偏見や差別に基づく侮辱など、何気ない言動に表れる小さな攻撃)が潜んでいたという。

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日経ビジネス2023年7月3日号 108ページより目次

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