『錫蘭』とは、インド洋にある島国を指す言葉です。そのまま素直に読むと『しゃくらん』となりますが、正しい読み方ではありません。錫蘭の読み方を知り、社会人としての知識を深めましょう。錫蘭の由来や意味、さらには基本情報を紹介します。
錫蘭の読み方とは
錫蘭とはどのように読むのが正解なのでしょうか?読み方をチェックしてみましょう。
読みの正解は「スリランカ」
『錫蘭』と書いて『スリランカ』と読みます。『錫』は『すず』『しゃく』『せき』などと読む漢字です。一方で『蘭』は『らん』のほか『あららぎ』『ふじばかま』などと読みます。二つの漢字を組み合わせても、『スリランカ』という読みにはなかなか辿りつきません。
現在の日本では、外国名はカタカナで表記されるのが一般的です。しかし外来語が入ってきたばかりの頃は、表記についての決まりがなく、響きの似た漢字が当てられていました。
中国語に由来を持つ国名も多く、ひねった当て字も少なくありません。難読な国名は漢字の意味を理解しようとするよりも、そのまま丸暗記するのがおすすめです。
ちなみに中国語では、スリランカを表わすときは『斯里兰卡』と表記します。
旧国名をそのまま使用
錫蘭は、スリランカの旧名『セイロン』の当て字として使われていた漢字です。国名が変わっても漢字は変更されなかったため、より一層読みにくくなりました。
セイロンという名称が使われていたのは、スリランカがイギリスの自治領だった時代です。当時より世界有数の紅茶葉の産地として知られており、スリランカで採取された紅茶葉は『セイロンティー』として好まれました。
日本で人気の『午後の紅茶』も、スリランカの紅茶葉が使われているそうです。
参考:スリランカと歩んだ35年。『午後の紅茶』が創造する持続可能な未来 | 価値創造ストーリー | キリンホールディングス
錫蘭の国名や国旗の由来
スリランカの正式名称は『スリランカ民主社会主義共和国』です。この国名や国旗には、さまざまな意味が込められています。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
由来は「聖なる光輝く島」という言葉
『スリランカ』とは、『聖なる光輝く島』という意味です。スリランカの公用語・シンハラ語では『Sri』が『光輝くこと』、『Lanka』が『島』を意味します。二つの美しい言葉が合わさって、『スリランカ』という国名が生まれました。
なお、スリランカの旧名である『セイロン』には、『ライオンの島』という意味があるそうです。旧名にも新名にも『島』という文字が使われているスリランカは、その美しさから『インド洋の真珠』と例えられるケースもあります。
シンボルであるライオンが描かれた国旗
スリランカの国旗は、左側半分に緑とオレンジの色が配され、右側半分には剣を持つライオンが描かれています。国旗全体は黄色いラインで縁取られ、ライオンを囲む4枚の葉も黄色です。
緑で表わされているのはイスラム教やムーア人、オレンジ色はヒンドゥー教やタミル人です。黄色は国民の大部分を占める仏教徒を指すとされており、国旗全体で人種・宗教の融和が表現されています。
剣を持つライオンは、かつてスリランカを治めていた『シンハラ王朝』のシンボルです。王家の祖先はライオンだったとする建国神話にちなみ、スリランカのルーツを象徴しています。
錫蘭について知ろう
スリランカは『島国』という点で日本と同じです。どのような国なのか詳しく見ていきましょう。
錫蘭の基本情報
スリランカは、6万5,610平方キロメートルの国土を持つ国家です。北海道の8割程度の広さの国土には、約2,200万人が暮らしています。首都は『スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ』ですが、スリランカで最も人口が多いのは、旧首都であった『コロンボ』です。
スリランカの人種構成は、多い方からシンハラ人・タミル人・スリランカ・ムーア人となっています。公用語はシンハラ語とタミル語ですが、植民地時代の名残から、英語も広く使われます。人口の約7割が仏教徒であり、ヒンドゥー教・イスラム教・キリスト教は少数派です。
錫蘭の歴史
スリランカの歴史は長く、建国から約2500年ともいわれます。しかし16世紀にはヨーロッパの列強諸国によって植民地化され、ポルトガル・オランダ・イギリスの統治を受けることとなりました。イギリスから独立し、現在の国家の形ができたのは1978年です。
ただし独立後のスリランカは、決して平穏だったわけではありません。国内ではシンハラ人とタミル人による民族紛争が激化し、内戦状態となりました。反政府武装勢力が制圧されたのは、2009年のことです。
なお第二次世界大戦の戦後処理で、スリランカが対日賠償請求権の放棄を宣言した話は有名です。スリランカ大統領の演説が戦勝国の戦後処理に影響したともされており、日本の国際社会への復帰に対する追い風となりました。
錫蘭の魅力を紹介
スリランカには手つかずの自然が豊かに残っている上、国内の世界遺産は8件と豊富です。聖地キャンディをはじめ古代都市シーギリヤ・古代都市ポロンナルワなど、観光スポットは充実しています。
またスリランカといえば、アーユルヴェーダを連想する人も多いかもしれません。アーユルヴェーダは、食事やマッサージなどによって体のバランスを整える健康法の一種です。スリランカはインドと並ぶ本場とされており、質の高い施術を受けられます。
このほか、上質なセイロンティーを味わってみたい人は、茶葉工場の見学ツアーにも参加可能です。茶葉の名産地・ヌワラエリヤには茶畑を走る鉄道もあり、絶景とおいしい紅茶を楽しめます。
構成/編集部
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