日本ハム水野達稀内野手(23)がチーム4年ぶりの開幕カード勝ち越しをもたらした。同点に追い付いた直後の9回に、ロッテの守護神益田から決勝の右前適時打を放った。この一打でプロ初の3安打猛打賞とし、ヒーローインタビューも初めて受けた。開幕3連戦は11打数5安打1打点で打率4割5分5厘と好スタート。覚悟を持って臨む3年目のミレニアム世代が、輝きを放ち始めた。

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水野に最高の場面がやってきた。「最初、守備でミスがあったので何とか取り返したくて必死でした」。同点直後の9回1死三塁。「とにかくバットに当ててヒットコースに飛んでくれ、と」。浮いてきたスライダーをコンパクトに捉え、打球は右前で弾んだ。「良かった」。ベンチで狂喜乱舞の仲間に向かって右拳を何度も突き上げた。

守備でのミスを、打撃で取り返した。3回に遊撃守備で悪送球。この今季初失策が失点につながっていた。「ああいうミスは減らしていかないと。今日は勝ったけど、負けていたら大事な1勝に関わっていた」と反省したが、そこからの名誉挽回はすさまじかった。

5回はロッテ佐々木から右前打で出塁し、1点を返す起点に。7回は左前打で、9回に決勝打。通算55試合目の出場で初めて1試合3安打の猛打賞となった。「記念になる3安打目が、ああいう場面(決勝打)で出たのは自信になる」。チーム3得点のうち2点に絡んで逆転勝利まで導いた。

3年目の今季は「覚悟を持って、やっています」。1年目は開幕スタメンに抜てきされたが、結果を残せなかった。2年目は開幕1軍を逃し、1軍に定着できず。今季も春季キャンプは2軍スタートだったが、覚悟を持って取り組んだ新フォームで結果を残して開幕スタメンに返り咲いた。

今季はバットをやや寝かせて構えるスタイル。「見る側は思わないかもしれないですけど、僕の中で結構変えたつもりです」。無駄な動きをなくし、コンパクトにボールへコンタクトするのが課題だった。そこで参考にしたのは、自身と同じミレニアム世代のトップランナー。「マンチュウ(万波)のバッティングからヒントをもらいました」。投球の軌道に合わせやすい構え方に変え、キャンプからアピールしてきたように、この日も益田のスライダーにばっちりと合わせた。

初のヒーローインタビューは「緊張しました。思ったより、マイクがでかいし、(声が)めっちゃ響いているなと思いました」と初々しさも見せた。次は本拠地開幕戦。今季に懸ける覚悟を北海道でも見せる。【木下大輔】

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