山梨市の女性が自閉症の息子と暮らす日々を1冊の本にまとめ、出版しました。
笑いと涙にあふれたエピソードとともに、障害の有無にかかわらず親子で楽しく過ごすヒントがちりばめられています。
本を出版したのは、山梨市落合の佐野美樹さん(58)です。
こだわりが強く、集団行動が苦手といった特性がある自閉症の息子・克行さん(23)を育ててきた経験を本にまとめました。
佐野美樹さん
「トラブルや体験がいろいろあるんですけど、障害があってもなくても楽しく過ごせたら、という思いをこめて書きました」
佐野さんが印象的だと話すのは、ある冬の日のエピソード。
3歳の克行さんが外出先で行方不明になり、みんなで探し回ったといいます。
佐野美樹さん
「冬の寒い時だったし、とにかく心配で…命さえあればと思った。帰ったら布団で寝ていた時のことは、忘れられない」
このほか、近所の家の玄関先に、家にあったインスタントみそ汁などを置いてきたり、畑に生える「ノビル」を毎日大量に収穫して持って帰ってきたり。
克行さんの予測のつかない行動に驚きながらも笑い合い、ともに歩んできた日々がつづられています。
子どもの個性を受け入れどうサポートしていくか、「同じ立場で悩む人たちのヒントになれば」と佐野さんは話します。
佐野美樹さん
「私も経験あるんですけど、『なんでこんなことしちゃうの』って頭から言っちゃうんですよ。でも客観的に見られるようになると、親御さんも穏やかな気持ちになれるのかな。子どもから学ばせてもらっているという謙虚さも、大切なのかなというところですね」
「子育ては親育て。克行さんと一緒に自分も成長してきた」と話していたのが印象的でした。
佐野さんが出版した本、「こだわり克行の笑顔」はインターネットや書店などで購入できます。
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