Google Stadiaの発売に至るまで,オンデマンドストリーミングサービスの大きなセールスポイントの1つは4K解像度でのストリーミングだった。しかし,複数の批評家が発売時にStadiaに抱いた不満の1つは,Stadiaがその約束を果たしていなかったことについてだった(関連記事)。
たとえば,EurogamerのDigital Foundryの編集者であるRichard Leadbetterは,Chromecast Ultra TVドングルが4K解像度でStadiaストリームのDestiny 2を出力しているのに,実際には1080pより低い解像度で実行されたゲームがアップスケールされていることを発見した(関連英文記事)。Leadbetterは,Red Dead Redemption 2についても同様の問題を指摘しており,ゲームは明らかに1440pでレンダリングされ,その後4Kにアップスケールされている。一方,The VergeのSean Hollister氏によると,Destiny 2はChromcast Ultraを介してテレビでは1080pに見え,Chrome Webブラウザで再生すると720pに近くなるという。
Eurogamerは,「すべてのStadiaゲームが4K解像度をサポートする」というマーケティングの約束(※本当に言っていたらしい)から人々が期待するものと,人々が実際に得るものとの間の不一致に関する声明をGoogleから受け取ったと報告した。
「Stadiaは,4Kおよび60fpsでストリーミングします。これには,ゲームからスクリーンまでのグラフィックパイプラインのすべての側面が含まれます。GPU,エンコーダ,Chromecast Ultraはすべて適切なインターネット接続を使って4Kで4Kテレビに出力します」 「Stadiaゲームを開発する開発者は,あらゆるゲームに最高のストリーミングエクスペリエンスを提供するために懸命に働いています。すべてのプラットフォームで見られるように,これには総合的な品質を最高にするためのさまざまなテクニックが含まれています。デベロッパは,Stadiaで最高の画像品質とフレームレートを実現する方法を自由に選択でき,我々は彼らがローンチ初日に間に合わせたことに感銘を受けています」
※StadiaプラットフォームとGoogleの回線はちゃんと4K 60fpsでゲームをエンコードして出力しており,ゲーム映像がそのクオリティになっていないのはデベロッパ側の責任だという主張。
「我々は,多くのデベロッパがStadiaでのゲームを改善し続けることができると期待しています。また,Stadiaの実体は当社のデータセンターにあるので,デベロッパはゲームパッチやダウンロードを必要としない,より優れたエクスペリエンスを直接提供しつつ,迅速に革新することができます」
※とはいえ,Stadiaに搭載されているGPUは,Vagaベースの10.7TFLOPSの演算性能を持つカスタム品だとされている。市販製品でいちばん近いものとしてはRadeon Vega 56が挙げられる(Vagaベース10.5TFLOPS)。Vega 56のゲーム性能は,GeForce GTX 1070とだいたい同等というのがベンチマークでの目安となっている。
これは,(性能はPS4 Proの倍以上とはいえ)一般的にPCで4Kでゲームができるラインをかなり下回っており,Red Dead Redemption 2が1440pで出力したのはきわめて妥当な判断だろう。1440pと2160pでのグラフィックス処理量には2.25倍の差がある。ソフトウェアでクオリティを落とさずに対応するのは難しいと思われる。
逆に,クオリティさえ落とせば実に簡単に実現できる。批判している人たちはそんなものを望んでいるわけではないだろうが,短期的に見るとGoogleが期待しているのは実質的にそういうことになってしまう。長期的に見ても,デベロッパたちがそこまで改善するよりは,Googleがサーバー機材を全部リプレイスするほうがまだ現実的に思える。一応,Stadiaは1人あたりに割り当てるリソースを複数台に割り当てられるという特徴があるというのがウリでもあった。サーバーを1人に3台くらい割り当てれば解決できる問題なのかもしれない。
2019-11-26 12:25:00Z
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