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Friday, April 17, 2020

「自分が何者かは自分で選べばいい」:漫画『未来のアラブ人』の著者リアド・サトゥフ(nippon.com) - Yahoo!ニュース

松本 卓也(ニッポンドットコム)

ここ数年、フランスで最も注目を浴びた漫画の一つ『未来のアラブ人』。世界各国へと広がり、ついに日本でも刊行されると、文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞するなど、高い評価を受けている。このたび順調に日本での第2巻がリリース。さらなる快進撃が期待される。昨年秋に来日した際、作者リアド・サトゥフに話を聞いた。

世界的なヒット作が日本上陸

リアド・サトゥフの漫画『未来のアラブ人』は、フランスで2014年5月に第1巻が刊行され、翌年にフランス最大のコミック・フェスティバルであるアングレーム国際漫画祭において、最優秀賞を受賞した。全6巻で、18年までに4巻が出ており、最新の第5巻は20年10月に刊行される予定だ。これまで少なくとも22言語に翻訳され、合計200万部を売り上げる世界的ベストセラーとなった。日本語版は19年7月に第1巻が出て好評を博し、第2巻が20年4月に刊行されたばかりだ。

第2巻の発売を機に、2019年10月に来日した作者のインタビューを掘り起こしてみたい。『未来のアラブ人』の日本での出版を記念して、アンスティチュ・フランセ(フランス政府の在外文化機関)が毎年開催する「読書の秋」のイベントに招かれたサトゥフは、自身の作品が日本で初めて出版された喜びをこう語った。

「日本にはだいぶ前に2度、観光で来たことがありますが、仕事では初めてですから、格別の思いです。『未来のアラブ人』はたくさんの言語に翻訳されましたが、日本語にはなっていなかった。5年経ってようやく念願が叶いました! 日本の漫画を読んで育った僕にとって、日本で本を出すことは子どもの頃からの夢でしたから」

映画から漫画への帰還

1978年生まれのサトゥフは2000年に漫画家デビュー。最初は原作者と組んでの仕事だったが、03年からはストーリーも自ら手掛けた作品を発表し、若くして順調な漫画家生活を歩んでいった。有名な新聞や雑誌に連載を持ち、数々の賞に輝いた後、09年には映画監督としても才能を発揮。『Les Beaux gosses(いかしたガキども)』はカンヌ国際映画祭の「監督週間」に出品され、フランスのアカデミー賞に当たるセザール賞でデビュー作に与えられる最優秀賞を受賞した。

「それで2作目も作ったんですが、これが失敗で。客はまったく入らず、だいぶ友達を失いました(笑)。その代わり、いろんな誘いもなくなって、たっぷり時間ができた。ずっと前から考えていた漫画に打ち込むことができたんです。それが『未来のアラブ人』。僕に愛想を尽かさないでいてくれた友達が興した小さな出版社から出して、すぐに反響があったんです」

シリア人の父とフランス人の母の間に生まれ、幼少期をリビア、シリア、フランスで過ごしたリアド・サトゥフ。『未来のアラブ人』は、その自伝的な物語だ。第1巻には生まれてから6歳まで、第2巻には小学校に入った1年間が描かれている。両親は父の留学先のパリで出会い、リアドが生まれてすぐに一家はリビアへ、その数年後にはシリアへと移り住んだ。シリアで小学校に通ったリアド少年はアラビア語で読み書きをおぼえ、思春期を迎える頃にはフランスにいた。

「シリアでは、子どもは誰もが日本の特撮やアニメに夢中でした。『スペクトルマン』とか、『宇宙戦艦ヤマト』とか。ヤマトはフランスで放映されなかったから、それがシリアで育ってよかったことの一つかな(笑)。10代の初めにフランスに移住して、バンド・デシネ(フランス・ベルギーの漫画)を知ったのはそれからでした。フランス語の読み書きは『タンタン』(ベルギーの漫画家エルジェの人気シリーズ)でおぼえました。レンヌ(ブルターニュ地方)に住んでいたのですが、日本の漫画を買うためにパリの専門店に通ったものです」

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