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Friday, May 8, 2020

ふだんの生活やSNSの中にヒントあり!タカラトミーアーツのカプセルトイ担当者に学ぶ発想術 - @DIME

自粛期間が続く今日この頃。たまに散歩に出るとカプセルトイの機械を発見し、その度にわくわくしてしまう。

今回は「株式会社タカラトミーアーツ」のカプセルトイをご紹介。細かい作り込みやリアルさが話題となり大ヒットした「NTT東日本 公衆電話ガチャコレクション」をはじめ、キャラクター商品からプラレール、動物シリーズまで幅広いラインナップが魅力だ。

そんな同社のものづくりの秘密、ならびにヒット商品について取材した。

現代にあった商品仕様をチーム全員で日々模索

―御社のカプセルトイは「持っているとついつい自慢したくなってしまう」商品がとても多いと感じています。タカラトミーアーツさんならではのものづくりの特徴を教えていただきたいです!

森田和奏さん(以下森田さん):ありがとうございます。SNSを見て、トレンドを分析したうえで商品開発に活かしています。今ですと、さまざまなおもちゃを組み合わせて世界観のある写真を撮る「オモ写」がブームになっています。短い動画の共有もトレンドになっているのでその点にも注目し、現代にあった商品仕様をチーム全員で日々模索しています。

―その特徴を活かした商品はどういったものなのでしょうか?

森田さん:最近の弊社商品ですと、「オモ写」の観点で写真映えを狙った、ディズニー「MIIKKE/み~いっけ」シリーズ、オリジナル「ガチャぶんのいち」シリーズです。他社メーカー様の商品と組み合わせて写真を撮り、SNSに投稿する方も多いです。

MIKKEシリーズ

ZENMAI OF THE DEAD

動画映えですと、約110mmのゾンビが這い寄ってくるアクションが楽しめる「ZENMAI OF THE DEAD」が非常に流行をとらえた商品だと考えています。

―ゾンビ、リアルですね……!森田さんが商品企画をする際のポイントはありますか?

森田さん:より多くのものを「見る」ことに注力しています。今の社会は、ある程度見たい情報をインターネット上で選択できてしまうので、どうしてもアイデアが偏ってしまいがちです。その点、アイデアを増やすための「見る」行為に関しては、ある程度ランダム性が必要になってくるため、膨大な情報が一気に目に入る都心にアイデアを探しに行ったり、自分とは違う世代、価値観、趣味を持った人と話をしたりするようにしています。今は自粛期間のためできませんが……。

―森田さんの企画された商品は、たくさんのものを「見て」いるからこそ思いつくラインナップが多いように思います。たとえばこの「公園ゆらゆら遊具」。見た目の可愛さとリアルさのバランスが良いですよね。

森田さん:ありがとうございます!「公園ゆらゆら遊具」はその名の通り、多くの方が遊んだことがあるであろう、公園の「スプリング遊具」をミニチュア化した商品です。本体にはプラスチック製スプリングを採用しているので、実際の遊具同様の「ゆらゆら」をカプセルサイズで再現・体験することができるんです。

―なるほど!わたしは「ユニコーン」が一番好きです。製品ラインナップはどのように決定されたのでしょうか?

ユニコーン

森田さん: ラインナップに関しては「実験の場」という感覚で捉えていて。王道のラインナップだけでなく、少し変わったものやクセのあるものを入れることで「わかる人にはわかる」という、消費者との一種のコミュニケーションが図れればと考えています。

「ユニコーン」は2000年代に流行したファンシーキャラクター文化をイメージしているんですよ。

―「消費者とのコミュニケーションを図る」という点ですが、どういった反響がございましたか?

森田さん:主に20代後半~30代後半の女性の方から好評でした!中には「使い古されたボロボロのパンダが欲しい」「本物の遊具はもっと怖い顔をしている。ガチャは可愛すぎる!」という意見もあり、次回以降のシークレット枠に検討しています。(笑)

―ほかにも「カプセルコードリール」「カプセルスコアボード」など、便利グッズとしても使えるミニチュアも手がけていらっしゃるんですね。

森田さん:おっしゃる通りで、2つとも便利機能とミニチュア玩具を掛け合わせた商品です。

「カプセルコードリール」は、スマホ用の充電ケーブルやイヤホンなどのコードを、工具「ドラムリール」のように実際に巻いて収納できます。

「カプセルスコアボード」は、バスケやバレーボールなどでおなじみの「得点版」をミニチュア化した商品です。

実際に得点版をめくれるだけでなく、パネルを組み替えて日めくりカレンダーとしても使えるんです。

―商品企画を考える際、アイデアはどのように思いつくのでしょうか?

森田さん:世の中にある既存の物同士の掛け合わせでアイデアを考えることが多いです。1つの物・行為に2つの意味を持たせる「なぞかけ」のような感覚です。リサーチするというよりも、普段生活で目にしているすべての物の中から既存の物同士の共通点を接着剤のようにくっつけ、商品企画にしています。

「カプセルコードリール」「カプセルスコアボード」は、ミニチュアフィギュアとしての価値に加え「巻く」「めくる」といった行為を中心とした雑貨要素を掛け合わせています。

―飾って視覚的に楽しめるのはもちろんのこと、実用性も大切にしているんですね。

森田さん:はい。純粋に飾って楽しむミニチュア商品は、弊社も含めすでに多くのメーカーが商品化していますので、私の開発する商品においては実際の行為を再現できる「体験のミニチュア化」を大切に企画・開発を行なっています。

―本当にクオリティの高い商品が多いですが、苦労したことはありますか?

森田さん:カプセルコードリールを開発した際、コードの太さ、長さによってうまく巻けるもの、巻けないものが出てきてしまい、大変苦労しました……。

コードの特性を考慮しつつ、カプセルに入るギリギリのサイズや200円という価格をキープしなくてならなかったため、試作品を何度も作りなおし、今のような形になりました。

―価格とのバランスを考えるのも大変ですよね……。ボツになってしまったネタはありますか?

森田さん:以前「ナスカの地上絵」と「ハンカチ」を掛け合わせた「ナスカのハンカ地上絵」という企画を社内で発表したことがありました。アイデアは大変好評だったのですが、いかんせん色合いが全種茶色で地味すぎてしまい、ボツになりました……。

―商品映えする色合いも大切なのですね。最後に、森田さんがこれからチャレンジしたいことはありますか?

森田さん:今後はミニチュア以外の商品においても、体験や生活を軸にした商品を作っていきたいと思います。

特に雑貨要素を重視したアイテムは「玩具」と接点のない人でもガチャを購入するきっかけになりますし、商品を私生活に取り入れてもらえるため、挑戦すべき商品ジャンルだと考えています。

―ありがとうございました!

取材からわかった株式会社タカラトミーアーツのカプセルトイ・ヒット要因3

1. SNS、日常生活でさまざまなものを「見る」

TwitterなどのSNSでトレンドを分析するのはもちろんのこと、実際に街に出たり、自分と異なる趣味趣向を持った人と話をしたりすることでアイディアの幅を広げていると感じた。

2. 見た目の可愛さだけでなく、実用性や体験も意識

「可愛いミニチュア」は同業他社も多数リリースしている。それだけで終始しないよう、実用性を考え「体験のミニチュア化」まで意識している点に感銘を受けた。もともと玩具に興味がなかった人でもついつい集めたくなってしまうポイントはここにあったのだろう。

3. クオリティの高さを追求

たとえば「ゆらゆら遊具」は数十種類のスプリングを検証し、実際の遊具と同様の再現性を狙ったそうだ。「カプセルコードリール」は200円と安価ながら試作品を何度もつくり、サイズ感やコード特性とのバランスを考えている。ものづくりにおける情熱を感じた。

取材・文/高橋まりな

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