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Wednesday, May 27, 2020

「9月入学制」のヒントは米大リーグに 新人支える「ルーキーリーグ」:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

エンゼルスのトラウト=USATODAY・ロイター・共同

エンゼルスのトラウト=USATODAY・ロイター・共同

 新型コロナウイルスの影響で急浮上した「9月入学制」。直近の導入は見送られそうだが、いずれ実現することになれば、スポーツカレンダーにも大きな影響を与えるのは間違いない。そこで興味深いのが、教育制度は秋入学だが、春に開幕する米大リーグ。「時差」を解消するため、高校や大学を卒業した新人がスムーズに球界入りできるシステムを確立している。

 9月入学の米国では、ドラフト会議は卒業の時期に合わせて6月に行われる。10月のドラフト会議で指名され、春季キャンプでプロ生活を始める日本と違い、米国の新人はシーズンの真っ盛りに入団する。その受け皿になっているのが「ルーキーリーグ」だ。

 マイナーリーグの最下位に位置付けられるリーグで、ドラフト会議を待って6月から始まる。主にアリゾナ州、フロリダ州のリーグは新人の育成に特化。メジャー球団の春季キャンプ施設を本拠地に、9月初めごろまでそれぞれ60試合前後をこなす。ロッキーズは唯一、チームを持たないが、同時期に行われる2年目も参加できる格上の「ルーキー・アドバンストリーグ」に新人を派遣。「金の卵」は入団直後から球団が用意した舞台で技を磨き、4月に開幕する大リーグの年間スケジュールに翌年から移行していく。

 今ではメジャーを代表する高卒選手も礎を築いた。昨季ナ・リーグの最優秀選手(МVP)のドジャース・ベリンジャーは47試合に出場。昨季ア・リーグМVPのエンゼルス・トラウトも39試合を経験した後、1Aに昇格して1年目を締めくくった。

ドジャースのベリンジャー=ゲッティ・共同

ドジャースのベリンジャー=ゲッティ・共同

 むろん、例外も。特筆すべきは1987年にヤクルトでもプレーしたホーナーだ。アリゾナ州立大から78年のドラフト全体1位でブレーブスに入ると、ドラフト会議から半月もたたないうちにメジャーデビューを果たした。

 ルーキーリーグなどの開催を可能にする背景は、スケールの違いにある。大リーグのドラフト会議は1球団が40巡目まで指名できる。昨年の全30球団の指名選手は1217人。一方、日本は1球団で原則10人、全体で120人以内となっている。昨年のドラフト会議で指名されたのは74人、育成ドラフトで33人。今年の大リーグのドラフト会議はコロナ禍による経済事情で5巡目までとなり、ルーキーリーグの運営も不透明とはいえ、元来は圧倒的な差がある。

 日本も9月入学制になれば…。米国に倣い、ドラフト会議を6月に移しても、直後から新人だけのリーグ戦は選手数などから現実的でない。小規模な日本のドラフト制度で学生側が卒業シーズンまで指名を待つのは指名漏れのリスクを伴い、進学や就職の観点から難しい。球団側も従来はセットで考える戦力外選手と指名選手をシーズン中に判断するという難題が出てくる。

 高校・大学ともに2月〜6月ごろが野球シーズンの米国に対し、日本は国民的な大イベントになっている高校生の甲子園大会が春と夏に行われる。入学時期が移行すればアマチュア球界の対応は必至だが、プロ球界も新たな受け入れ方を模索しなければならない。  (ロサンゼルス・樋口浩一=スポーツライター)

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