Pages

Friday, December 4, 2020

漫画好きはもちろん歴史好きにはたまらない!すみだ北斎美術館で開催中の「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」展の見どころ - @DIME

世界に誇る日本のマンガ文化。その起源にはさまざまな説があるのですが、すみだ北斎美術館にて開催中の「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」展では、印刷文化が発展した江戸時代の諷刺表現である戯画を、現代日本で認識されている漫画的な表現の出発点と定義。江戸時代の浮世絵版画から明治・大正時代の諷刺漫画雑誌、昭和戦中期の子ども漫画など、日本の漫画の変遷を実際の作品とともに時系列で展示し、その変遷を紹介しています。

鏡面のアルミパネルが印象的な美術館をデザインしたのは、建築家の妹島和世さん。

江戸時代の大衆メディアだった「江戸戯画」

マンガ的な表現の戯画といえば、「鳥獣人物戯画」が有名ですが、庶民にも親しまれるものになったのが印刷文化が発達した江戸時代中期以降。葛飾北斎、歌川国芳など、人気絵師が登場したこと。そして、幕府の改革の失敗や行き過ぎた倹約や飢饉に発する一揆などの政治・世相を批判する風刺を込めた戯画が人気を集めるように。

著名人が亡くなったときに生前の業績とともに描かれた追悼絵である「死絵(しにえ)」、地震の後に描かれた「鯰絵」、全国的に麻疹が流行した際にその療治に良いもの・悪いものを紹介した「麻疹絵」など、現代において週刊誌が掲載するような情報が描かれた錦絵などが展示されています。

作者不詳 「死絵 八代目市川團十郎 行年三十二才」 京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム蔵

作者不詳 「骨抜きどうせう なまづ大家破焼」 京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム蔵

この時代に活躍した浮世絵師の代表格といえば、葛飾北斎。『富岳百景』など浮世絵のジャンルに風景画のジャンルを確立させたといわれている人物ですが、自分の描法を弟子たちに教えるため、絵手本を出版していました。最もヒットしたのが、15冊からなる絵手本『北斎漫画』です。雀踊りの踊り方を伝えるものや格闘する際の手の使い方、様々な芸を紹介するものなど、情報カタログのような内容や皮肉のある一言が付け加えられていたりと面白い作品群です。

『北斎漫画』が展示されているコーナー。

「葛飾北斎『北斎漫画』十編 芸競べ図」(部分)すみだ北斎美術館蔵 では、様々な芸を紹介しつつ、最後に左ページの最後に「無芸大食」というオチも書かれていて漫画っぽい。

コマ・吹き出し・光線の表現を江戸戯画に発見!

江戸時代の戯画のなかには、現在の漫画に通じる表現をいくつも発見することができました。浮世絵・錦絵というと平面的な表現が特徴とされていますが、そのなかでも細かなニュアンスが加わることで現代の漫画につながる表現が生まれてきたのではないか? そんなつながりを見出すことができます。

歌川芳藤 「心夢吉凶鏡」(前期のみ展示)  京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム蔵 では吹き出し表現。

歌川芳虎 「鎌倉星月夜」では、左から光が当たり、捕縛の様子が照らし出される様子が表現されています。

“ショウチャン帽”のルーツ 正チャン発見!

頭の上に大きなボンボンついたニット帽のことを「ショウチャン帽」と呼ぶ人がいるのが、何かのキャラクターがルーツだということは知っていました。そのルーツを、ついにここで発見しました。

「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」展 第2章・第3章では、明治期以降の職業漫画家の誕生や西欧からのブームやそこで誕生した雑誌ブームを貴重な資料とともに紹介しています。

展示のなかでも注目したのが、大正時代のスーパーアイドルと紹介されていた「正チャン」。1923(大正12)年に創刊された「アサヒグラフ」に登場し、その新聞に舞台を移し、日本初の日刊連載の新聞連載4コマ漫画となった作品です。いま見ても表紙のデザインは斬新で、当時のファッションリーダー的な存在だったのではないでしょうか。

「近代漫画 ~第2章・第3章の展示から~」の入り口のボードにも正チャン。

小星・東風人「お伽 正チャンの冒険」一の巻(部分)(通期) 京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム蔵。 ひざ下が長い現代的なスタイル。

小星・東風人「お伽 正チャンの冒険」二の巻(部分)(通期) 京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム蔵

ショウチャンと写真が撮れるフォトスポットも発見。

ここでしか出会えないグッズは必見

残念ながらショウチャンのグッズはなかったものの、出展作品のポストカードやクリアファイルなど、今回を逃しては購入できないアイテムが揃っています。なかでも明治期以降の雑誌をモチーフにしたノートやクリアファイルは、レトロモダンなデザインでおすすめです。

こちらのミュージアムショップは観覧券を持っていない人も利用可能です。

GIGA MANGA展 ポストカード ¥165(税込み)

GIGA MANGA展 トートバッグ ¥2200(税込み)

GIGA MANGA展 ノート ¥550(税込み)

A4クリアファイル ¥440(税込み)

すみだ北斎美術館の開館4周年を記念し、北斎作品の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」「牡丹に胡蝶」、『北斎漫画』草筆之部 山鴞をワンポイントにしたマスクも発売中。 ¥880(税込み)

GIGA・ MANGA 江戸戯画から近代漫画へ

会場:すみだ北斎美術館
会期:2020年 11月 25日(水)~2021年 1月 24日(日)※一部展示替えを実施予定
     前期 2020年 11月 25日(水)~ 12月 13日(日)
     中期 2020年 12月 15日(火)~ 2021年 1月 3日(日)
     後期 2021年 1月 5日(火) ~ 1月 24日(日)
休館日:毎週月曜日、年末年始( 12月 29日~ 1月 1日) 、
     ※開館:1月 11日(月・祝)、休館: 1月 12日(火)
開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)
主催:墨田区・すみだ北斎美術館、毎日新聞社
監修:清水勲(漫画・諷刺画研究家、元京都国際マンガミュージアム研究顧問、元帝京平成大学教授)
協力:京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム
お問い合わせ:03-6658-8936 (9:30~17:30 ※休館日を除く)
すみだ北斎美術館 https://hokusai-museum.jp/

取材・文/北本祐子

Let's block ads! (Why?)



"漫画" - Google ニュース
December 05, 2020 at 01:01PM
https://ift.tt/2VHLdgB

漫画好きはもちろん歴史好きにはたまらない!すみだ北斎美術館で開催中の「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」展の見どころ - @DIME
"漫画" - Google ニュース
https://ift.tt/2Yphqd6
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment