競争と共闘のバランスを考えた1学年2チーム制
First-Pitch編集部では、少年野球に関わる人たちへ疑問解決のヒントを届けていきます。取材に基づいた参考例を「First-Pitchコーチ」と題して紹介します。今回は、1学年の人数が40名以上、メンバー総勢100名超えの巨大チームが心を配る「みんなを試合に出場させるチーム運営」について。「勝利を目指す」「みんなを試合に出す」という難しいテーマを両立させているチームは、確かにあるようです。 【動画】本当に小学生5年生? 驚異の打球の飛距離と角度を誇る未来の大砲候補 「部員が多いと、試合に出られないんじゃないか心配。結局、上手な子ばかりが試合に出るんだろうな………」。そんな心配をしたことのある保護者もいるのではないでしょうか。部員が130人超えの、関東のある中学硬式野球チームの運営を紹介します。 このチームは、1学年をAとBの2チームに分けて運営しています。プロ野球の1軍、2軍のようにAチームに上手な選手を固めるような分け方ではなく、均等に戦力が分散する分け方をしています。 例えば、同じポジションでどちらがレギュラーになってもおかしくないという2人の選手がいるとします。この場合、2人は別々のチームに配属されることになります。レギュラー格の選手を同じチームに固めた方が、戦力は充実します。しかし、その一方でお互いの出場機会を奪い合うことになります。「別のチームであればもっと試合に出られたのに…」といった問題を解決するべく、このような方針をとっています。これはレギュラー格の選手だけではなく、控えに回る選手も同様です。 ただ、40人を戦力分散して20人ずつにしただけでは、控え選手の出場機会は増えません。このチームでは、勝ちにこだわる“タイミング”を選ぶことによって、出場機会の均衡を保っていました。
勝ちにこだわるのは公式戦のみ オープン戦は出場機会を重視
勝つことを最優先に考えて臨むのは公式戦のみ。オープン戦はとにかく平等に出場機会を設けるというのがこのチームの会長の方針です。狙いを問うと「選手は試合に出ないと面白くないし、オープン戦で出た結果から、自分の現在地を知ることもできる」と話してくれました。 勝ちにこだわる公式戦では、さすがに選手起用に偏りが生じます。しかしながら、先立つオープン戦での結果があると、公式戦での出場機会の増減には納得する選手が多いようです。真摯に受け止めて発奮し、また次の公式戦に向けてオープン戦戦で結果を残そうと努力する子どもも多いそうです。 また、戦力が分散することによって、各チームの監督は20人の選手だけで勝つにはどうしたらいいかを考え、選手は自分が最も輝ける役割を探すようになるという狙いもあるそうです。選手だけでなく、指導者にも選手起用の勉強をする機会があるチーム運営は斬新です。 負けていい試合は1試合もありませんが、勝ちにこだわる場面を選ぶことは、100人を超えるチームの選手たちの出場機会とチーム内での競争をバランスよく保つ要素として大切だと言えそうです。
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