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Sunday, March 6, 2022

【東京マラソン】世界最速夫婦誕生「2人で1番はうれしい」鈴木健吾&一山麻緒夫妻ギネス更新 - 陸上 - ニッカンスポーツ

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<東京マラソン2021>◇6日◇東京都庁~東京駅前・行幸通り(42・195キロ)

世界最速の夫婦が誕生した。夫で男子日本記録保持者の鈴木健吾(26=富士通)が2時間5分28秒で4位。妻で女子日本歴代4位の記録を持つ一山麻緒(24=ワコール)が2時間21分2秒の6位でゴールした。夫婦そろって日本人1位で合計タイムは4時間26分30秒。2017年にケニア人の夫婦が樹立したギネス世界記録を35秒更新した。世界最速の夫婦は、7月の世界選手権(米オレゴン)の出場が確実。24年パリ五輪を見据えながら、ともにメダルを目指していく。

42・195キロを走り終えたばかりの2人は力走をたたえ合うように抱き合った。男女で日本人1位となった鈴木&一山夫妻。合計タイムの4時間26分30秒はギネス世界記録を超えた。トップアスリート同士。相手の苦しみを実感できるからこそ、夫婦の目に喜びの涙が浮かんだ。

鈴木の約15分後に一山がゴールテープを切ると、ギネス・ワールド・レコーズ・ジャパンの公式ツイッターアカウントは「同レースでの夫婦合計タイム更新ですね! 認定員に作業依頼しておきます」と投稿。ギネス記録更新について問われた鈴木は「意識はしていなかったが、ギネスということでシンプルにうれしい」。一山も「2人で1番はうれしい」とほほ笑んだ。

東京五輪男子金メダルのキプチョゲ(ケニア)ら豪華メンバーがそろった中で、鈴木は2番手集団の一角で日本記録ペースで飛ばした。万全ではなかったが、力を振り絞る。自身の日本記録更新とはならなかったものの、「苦しい局面が多かったけれど、日本人の中で勝てたことは収穫」とうなずいた。一山も尊敬するランナー新谷との激しい一騎打ちを制して日本人トップに。「粘るレースになったが、気持ちを切らさずにゴールできた」と喜んだ。

19年9月、東京五輪代表選考のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場時に、会話を交わしたことがきっかけで、交際が始まった。すると鈴木は昨年2月のびわ湖毎日マラソンで2時間4分56秒の日本記録を樹立。一山も昨夏の東京五輪で8位入賞。まさに夫婦ともども順風満帆と思われたが、そうではなかった。

鈴木は日本記録保持者になったことで「周囲の目も変わり、精神的にダメージを受けることが多かった」という。一山も東京五輪後はなかなか心身の状態が整わなかった。支えは互いの存在だった。鈴木は「苦しい時も彼女と共有して高め合うことができた」と感謝した。昨年12月に結婚を発表。ともに夫婦として初めて臨む今大会を前に調子を取り戻して、本番を迎えていた。

鈴木も一山も、この日の快走で7月の世界選手権出場が確実となった。開催地は米オレゴン州。まさに「新婚旅行」先でメダルを懸けて走る。そしてその先、互いに見据えるのは24年パリ五輪。最速カップルはこれからも手を取り合い、二人三脚で走り続ける。【奥岡幹浩】

◆鈴木健吾(すずき・けんご)1995年(平7)6月11日生まれ、愛媛・宇和島市出身。小学生時代はソフトボールをやっており、全国高校駅伝に出場経験のある父和幸さんの影響で城東中1年から陸上競技へ。宇和島東高を経て神奈川大に進む。箱根駅伝では1年で6区19位、2年で2区14位、3年で2区の区間賞、4年で2区で4位。18年4月に富士通に入社。163センチ、48キロ。

◆一山麻緒(いちやま・まお)1997年(平9)5月29日生まれ、鹿児島県出水市出身。出水中では800メートル、1500メートルで県大会入賞。出水中央高では1500メートルと3000メートルで全国高校総体出場。16年にワコール入社。19年MGCは6位。20年名古屋ウィメンズマラソンで2時間20分29秒の国内レース最高記録を樹立し、東京五輪切符獲得。憧れは同門の福士加代子。158センチ、43キロ。

◆世界選手権マラソン代表の選考方法 米オレゴンで7月に開催される世界選手権のマラソン男女代表は各3選手。男女の各1人目は、20年度と21年度の2年間の総合成績をポイント化した「ジャパン・マラソン・チャンピオンシップ(JMC)シリーズ1」のランキング1位者(日本選手権者)。この対象者が辞退した場合は、JMCシリーズ1のランキング上位者から選考。男女の各2、3人目は21年度の選考競技会(男子=福岡国際、別府大分毎日、大阪・びわ湖毎日、東京。女子=大阪国際、東京、名古屋ウィメンズ)で、派遣設定記録(男子=2時間7分53秒、女子=2時間23分18秒)をクリアした日本人2位以内の競技者。これで3枠が埋まらない場合は、JMCシリーズ上位ランキングから選出する。

東京の結果を受け、JMCシリーズ1のランキングが更新され、鈴木健吾(富士通)が男子の1位に。また、女子で一山麻緒(ワコール)も1位となり、夫婦での世界選手権出場が確実な状況となった。

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