<女子テニス:東レ・パンパシフィックオープン>◇20日◇第2日◇東京・有明コロシアム◇シングルス1回戦
4大大会4度の優勝を誇る世界48位の大坂なおみ(24=フリー)が、試合開始わずか7分で、思わぬ勝利となった。同55位のダリア・サビル(28=オーストラリア)と対戦し、開始早々、第1セットの第2ゲームで、相手が左ひざの負傷で途中棄権した。大坂は22日以降の2回戦で、同16位のアドダマイア(ブラジル)と対戦する。
屋根が閉まり、室内となった有明コロシアムに、サビルの絶叫が響いた。「オー、マイ・ゴッド! オー・マイ・ニー(どうしよう、私のひざ)」。そのまま、左ひざを抱え、コート上に倒れ込んだ。
すぐに異変を察知した大坂は「あれだけの痛みを見せるのは、本当に大変なこと。すごく怖かった」。ベンチに戻りタオルをつかむと、サビルのいる敵のコートに一目散。タオルを、そっとひざに掛けた。トレーナーもすぐにコートに入った。
大坂のサーブで始まった試合は、まず大坂がサービスゲームをキープ。第2ゲームのサビルのサーブで、30オールの時に悲劇が起きた。サビルが打ったフォアの逆クロスは入ったが、その瞬間、左ひざに異変が起きた。
大坂の勝利は、8月上旬の米サンノゼの大会1回戦で、鄭欣文(中国)に勝って以来だ。続くトロントの大会から今大会直前の全米まで3大会連続で1回戦負けが続いていた。ただ「勝ったという気持ちにはなっていない」と、相手を気づかった。
この日、両親の姿はコートになかった。2度の4大大会優勝をともにつかんだフィセッテ・コーチと7月に契約を解消。その後は、父フランソワさんが暫定コーチとなった。しかし、この日は、その父もおらず、コーチなしで挑んだことになる。
次戦のアダドマイアとは、15年のツアー下部大会予選1回戦で対戦したことがあるが、「本当に若いとき。やったかどうかも覚えていない」(大坂)。大坂が勝っているが、参考にはならない。「今は1試合、1試合戦うだけ」。その先に「大好きな」日本での復活劇が待っている。
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