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Monday, October 17, 2022

若手社員が業務を効率化するためのヒント「業務量が多い時の時間の効率的な使い方」|@DIME アットダイム - @DIME

■短期集中連載/第1回:業務量が多い時の時間の効率的な使い方-スケジュール管理のコツ

本連載では、3回にわたって業務効率化をテーマにお届けします。私は現在アドビで、次世代ユーザー向け製品および教育市場向けのマーケティングの統括をしている、アドビ株式会社 マーケティング本部長(Adobe Express & エデュケーション)の小池晴子と申します。最近はマネジメント業務が中心ですが、20代〜30代の圧倒的に実務が多かったころの私なりの仕事のやりくりの仕方や、普段チームメンバーに伝えているコツをお届けできればと思います。

コロナ禍を経て、さらに忙しくなった!?

コロナ禍に入ってすでに2年半以上が過ぎました。アドビでは、一時期完全にテレワークをしていましたが、2022年春頃からはオフィスでも働くことができるようになりました。現在は週2〜3日程度の出社を目安として、業務内容やスケジュールに応じて自宅でもオフィスでも働けるので、社員は自分の業務に対する自律性とコントロール感を損なうことなく働くことができます。

一方で、この2年半の間にスケジュールがテレワークに最適化された結果、以前ならオフィスやお客様先への移動時間に充てていた時間にも会議が入るなど、実は業務量が増えて時間の使い方が慌ただしくなっている面があります。出社も毎日のルーティンではないということは、逆に予め計画して、自宅からオフィスへの移動時間を予定しておかないと、物理的に移動時間がとれないなどということもあります。

現在は、出社している人とテレワークの人が共存している「ハイブリッドな働き方」への過渡期で、これからはハイブリッドな働き方なりの業務効率化の技を身に着ける必要がありそうです。そこでまず今回は、時間管理のコツについて2点あげてみたいと思います。

1日の中に時間枠をブロックでイメージして、業務を割り当てる

マルチタスクで業務を回していると、優先順位や期日、業務の大小の整理もそこそこに、とにかく目の前の仕事を片付けるような進め方のループにはまってしまうことがあります。そうならないためにおすすめのスケジュール管理の方法が、1日の中に時間枠ブロックがあるイメージを持ち、それぞれのブロックに適したサイズの業務を割り当てることです。これは大小さまざまなサイズの業務があり、かつその数が多く、会議や打合せが飛び飛びに入るようなスケジュールの方には特におすすめです。

<時間ブロックの例>

こう考えると、1日の中で2時間枠のブロックが3個あります。この2時間枠がフルで確保できているところは、例えば「企画書を書く」「プレゼンを作成する」など、パワーと集中力が必要な大きなサイズの業務をあてはめます。1週間単位くらいで何ブロックとれているかをみて、期日や優先順位を考えながら、パズルをはめる感覚で割り当てておきます。もちろん会議や打合せがあるので、2時間枠ブロックが毎日3つ確保できることは稀だと思います。だからこそ2時間ブロックがとれるところは、どの業務をする時間にするのか意識して決めておくことで有意義に時間を使うことができます。

そして、このブロックの中に会議や打合せが入ると、1時間、30分などの単位の細切れ時間ができます。また、上記の例の場合は9時半~10時、13時~13時半の部分にもともと細切れ時間があります。こうした細切れ時間も有意義に使うには、どんな業務を割り当てればよいでしょうか。

2時間枠が「パワーと集中力が必要な大きなサイズの業務」なら、15分~30分枠は「下準備の要らない作業的な小さいサイズの業務」、1時間枠はその中間の「ある程度集中して取り組む必要がある中くらいのサイズの業務」です。例えば、15分~30分枠の小さい業務は、メール対応、請求書の処理などの処理系の業務。さほどパワーがかからず達成できるものです。1時間枠の中くらいの業務は、企画書やプレゼンの修正、他の人の企画のレビューなど既に道筋は見えているものを整えるタイプの業務。多少下準備やパワーはかかるものの、達成が見通せるものです。

もし時間の上手な使い方に苦労しているなら、一度書き出して自分なりのメニューを作ってみるのもよいと思います。職種や業務内容、得意不得意によるスピードに合わせて、自分はだいたいどの業務にどのくらいかかるのか把握してメニュー化しておきます。慣れてくると、突発的に時間が空いた時も、そのサイズに適した業務をパッと選び取って着手することができるようになり、時間の無駄が劇的に少なくなります。

実は「スケジュール管理」そのものも、30分枠で処理する作業的業務のひとつです。時間が上手に使えていないときほど、一度、自分のもっている時間枠を見通して、業務のサイズと優先順位で並べ直す時間をとりましょう。私の場合は毎週金曜日に、次の1週間のスケジュールを見通す時間を作っています。さらにこのタイミングでそこから1ヶ月分のスケジュールも軽く通して見ておき、会議のバッティングや定例会議が祝日と重なっているなど大きなコンフリクトは解決しておきます。こうして、短期と中期の両方の目でスケジュールを押さえておくと、業務量が多くても常に見通しが立っており、優先順位も合っている自信が持てるので、落ち着いて目の前の業務に集中してどんどん進めることができるようになります。

気が進まない仕事を進めるには?

さて、スケジュールの整理も習慣化して、見通しも立っているし、2間枠に大きな仕事を正しい優先順位で入れているけれども、いざやろうとするとなかなか気が進まない、「やる気スイッチ」が入らないということはありませんか?大きな仕事だからこそ気が重くなってしまって、やらなければいけないことは分かっているが、なかなか・・・というのは人間だれしもあることですよね。

そういうときは、あえてその2時間枠の準備運動として、やりかたが完全に分かっている処理系の作業的な業務を入れます。前述の15分~30分枠でやるような業務です。ただし、この細かい作業をやっているうちに2時間消費してしまうのは絶対NG。時間で区切りをつけてやりきりましょう。冬場に車に乗る時にエンジンを温める暖機運転のようなものです。

時間で区切りをつけるのが苦手な人、もしくは、この方法では結局大きい仕事のほうにスイッチを切り替えられない人、そんなタイプの人におすすめするもう一つの方法は、2時間枠とは別のタイミングの30分枠のときに、大きい仕事の下準備にあたる、あまり頭を使わない作業を済ませてしまうことです。具体的には、2時間枠でしようと思っているのがプレゼンの作成なら、スライドのテンプレートを選んで、大まかな流れに合わせた見出しを入れながら必要枚数分並べる。企画書の作成なら、タイトルを書き要素を思いつくまま箇条書きで並べる。ここでは粗っぽくてもよいので材料を並べてしまうのです。人間の脳はやりかけのものがあると「片付けないと」と感じるようにできているそうで、ちょっとでもよいので手を付けてあると、いざ2時間枠で本格的に着手するときにぐっとエンジンがかかりやすくなります。

集中力が続かないときは?

2時間枠の業務に取り組み始めたけれど、今度は、集中力が続かないということがありますね。実は2時間枠への集中を妨げるワナは、裏で何か起きていないかが気になってしまうことです。今は、電話がかかってきて中断されることこそさすがに無くなりましたが、チャットやメールなど連絡ツールが多様化しているので、2時間も目の前の業務にだけ集中していると、裏で並行していろいろな連絡や情報が入っています。集中時間はあえて完全にシャットアウトで通知を切るようにしているという方もいると思います。私の場合は逆に、切ってしまうと並行して何か発生していないかが気になって集中できないので、あえて切らずに、通知の概要だけ見てトリアージをしています。

急ぎでないものは反応せず、少々急ぎに感じるものは、取り組んでいる作業の区切りがいいところで一度手をとめて、休憩がてら連絡の内容を確認します。すぐに返事ができるような内容なら返事まで片付けてしまいますし、一定以上の時間がかかるものならその後の細切れ時間に行います。このトリアージの感覚が掴めてくると、2時間枠に集中しながらも、新しい情報や連絡も新たに取り込んで、上手に時間を使うことができるようになりますので、試してみてくださいね。

次回は、To Do整理のコツについて取り上げます。

■筆者略歴:アドビ株式会社 マーケティング本部長(Adobe Express & エデュケーション)小池晴子

上智大学外国語学部卒業後、1994年福武書店(現:ベネッセコーポレーション)に入社。通信教育・教室事業などの商品開発責任者を務めた後、2016年に米国EdTechベンチャー企業の日本オフィス立ち上げに参画。2017年アドビに入社、教育市場部長などを経て2022年6月より現職。就学前から社会人までの創造性・デジタルリテラシー育成や、学校教育のICT化などについて社内外で幅広く活動している。

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