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Tuesday, December 6, 2022

クロアチアが示したヒント 「俊哉の司令塔ラボ」―W杯サッカー - 時事通信ニュース

2022年12月06日17時59分

サッカー元日本代表の藤田俊哉氏=10月12日、日産スタジアム

サッカー元日本代表の藤田俊哉氏=10月12日、日産スタジアム

 日本が16強を突破するためのヒントは、クロアチアが示したと言える。

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 遠藤と冨安が戻り、いい守備から入ることはできた。ただ、拮抗(きっこう)した展開で経験の差が出た。クロアチアは準優勝した前回大会で、何度も延長戦を戦っている。タフな試合を勝ち切るという場数の違いが出ていた。
 それを感じたのは、試合がこう着し始めた後半だ。相手には攻め手がないように見えたのに、同点に追い付いた。クロアチアにあって日本になかったのは、何もないところからゴールを生み出す力。困ったときの引き出しが豊富で、崩さなくてもそれができる。総合力で一枚上だった。
 動かない試合を動かすにはどうするか。ゴールを奪うための組織力や戦術だけではなく、流れが悪くても、相手を崩さなくても点を取る方法に目を向ける必要がある。これまでと違った毛色の考え方が、壁を破るためのピースになる。
 総評としては、日本の進化した姿を世界に示した大会だったと思う。強豪に先制されても逆転できる力があり、個人でも三笘の突破力や遠藤のデュエル(球際の決闘)など目を見張るものが多かった。世界と戦えるレベルに上がったと感じる戦いぶりだった。
 この経験が歴史となる。「ベスト16を突破するのはこんなに難しい」「世界の壁は厚い」と改めて実感できたことは、今後の糧だ。堂安や三笘ら次の世代を担う選手たちは、この経験を生かしてほしい。クラブで、自分の置かれた立場でもっともっと研さんし、最大限のトライをしてほしい。これを乗り越えたとき、新しい景色が見えるはずだ。

 ◇藤田俊哉氏の略歴
 藤田 俊哉氏(ふじた・としや)静岡・清水商高(現清水桜が丘高)、筑波大を経て、1994年に磐田に入団。ユトレヒト(オランダ)、名古屋などでもプレーした元日本代表MF。2001年にJリーグ最優秀選手に輝き、背番号10として磐田の黄金期を支えた。現役引退後はオランダで指導者も務めた。今年9月から磐田スポーツダイレクター。51歳。静岡市出身。

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