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Tuesday, December 20, 2022

見たい!ダイヤモンド富士 高尾山でヒント探る<お空のみかた 予報 ... - 東京新聞

富士山頂と太陽が重なる「ダイヤモンド富士」=18日、八王子市の高尾山展望台で、樋口徹さん撮影

富士山頂と太陽が重なる「ダイヤモンド富士」=18日、八王子市の高尾山展望台で、樋口徹さん撮影

 富士山頂と太陽が重なる「ダイヤモンド富士」。富士山の東側にある東京都や神奈川県、千葉県などからは、夕日が沈む直前に幻想的な光景が現れる。どうすれば、見られるのか。富士山の絶景を撮り続けるカメラマン、樋口徹さん(76)と八王子市の高尾山山頂に登り、ヒントを探ってみた。

樋口徹さん

樋口徹さん

 冬至を四日後に控えた十八日。国立天文台のHPによると、日没は午後四時半ごろで、富士山の頂上と夕日が重なるのは午後四時十分ごろになる。高尾山の山頂の展望台では昼過ぎには、すでにカメラマンや見物客が場所取りをしていた。

 富士山上空にはうっすらと雲がかかっていたが、「山頂は天気が変わりやすい。それまで曇っていても突然、晴れることもあります」と樋口さん。多摩地区周辺の風景写真を撮り続けており、高尾山頂からダイヤモンド富士を狙うのは十回を超えるベテランカメラマンだ。その言葉どおり、間もなく上空の雲は流れていった。

 「富士山が雲に隠れないか、夕日が富士山の頂上と重なるのか。待っている間のわくわく感がいいんです」

 午後四時すぎ、太陽が少しずつ富士山の頂上に近づいていくにつれ、見物客でにぎやかだった展望台が静かになっていく。富士山の左上から沈んでいく夕日が山頂と重なると、ため息や歓声とともに拍手が湧き上がった。

 「今日は、最高の天気でしたね」。カメラのファインダーから顔を上げた樋口さんが笑顔を見せた。

     ◇

 高尾山以外にもダイヤモンド富士を見られるスポットはある。

 東から上って西に沈む太陽のルートは、一年の間に南北に移動する。冬至は最も南寄りのルートを通り、夏至は最も北寄りを通る。=図(1)。富士山頂と日の出や日の入りの方角を直線で結ぶと、ダイヤモンド富士を見られる地域が特定できる=図(2)。

(1)

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(2)

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 富士山の東側では、北限のライン付近は冬至のころ、南限のライン付近は夏至のころに夕日のダイヤモンド富士が見られる場所。この範囲内であれば、夏至に向かう時期と冬至に向かう時期の二回、それぞれ数日間のチャンスが訪れる。

 しかし、北限ラインに近い高尾山から見ると、富士山頂と夕日が重なるのは冬至を挟んだ数日間だけ。悪天候などで見逃すと、一年後に期待するしかない。

高尾山山頂でダイヤモンド富士を待つ人たち

高尾山山頂でダイヤモンド富士を待つ人たち

 地図で見られる地域は絞れたが、より高確率で見るには、さらに条件を絞りたい。お薦めは空気が澄んだ冬場。十月中旬から二月下旬ごろまでは乾燥して空気中の水蒸気やちりが少なく、遠くの景色まで見ることができる。地図上では、二十三区内で冬至前にダイヤモンド富士が見られた地域は、二月下旬ごろまでにもう一度可能性がありそうだ。

 気象庁の十一月下旬の発表では、今冬はラニーニャ現象が続く見通しだ。典型的な西高東低の冬型の気圧配置になりやすく、関東地方では、冬は寒く、晴れ間が多い傾向にある。ビルなどの障害物がない場所を探せば、身近で思わぬ絶景を楽しめるかもしれない。

 文と写真・布施谷航

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