世界から賞賛される注目の話題作「バルダーズ・ゲート3」(以下,「BG3」)。待望の日本語版がスパイク・チュンソフトからリリースされ,多くのプレイヤーがフォーゴトン・レルムでの自由な冒険を楽しんでいることだろう。
そして同時に,そこいらにいるモブっぽい敵にすら全滅させられてしまう……そんな本作の“難度の高さ”に直面している頃合ではなかろうか。それもそのはず,「BG3」はあらゆる攻略法が許容された自由度の高いタイトル。ゆえに,プレイヤーの試行錯誤を前提とした設計になっており,一般的なRPGの感覚でプレイするとスムーズな攻略が難しいのだ。
そこで,序盤で行き詰まっている人に向け,見落としがちな要素や冒険の助けとなりそうな情報をまとめたTIPSをお届けしたい。なお,本稿の内容はPlayStation 5版でのプレイを元に執筆している。
覚えておきたい基本のキ
いきなりなんじゃそりゃと思うかもしれないが,「BG3」をプレイするうえで絶対に覚えておきたいのがこの言葉。なぜなら,自由度の高い本作では一般的なRPGの常識が通じず,固定観念にとらわれている人ほど攻略が難しいタイトルだからだ。
目の前の問題をどのような手段で解決してもいい,攻略法が1つではない世界だからこそ,固定観念にとらわれたガチガチの思考は足かせにしかならない。自分の中にある“RPGの当たり前”を捨て去ってからが,本当の冒険のスタートだ。
予備知識的に覚えておきたいのが,「基本的に倒した敵はリスポーンしない」ことと「クエストは一度きり」ということだ。つまり,冒険中に得られる経験値の総量が決まっており,RPGではおなじみのフィールド狩りや,クエストのリプレイによるレベリングが通用しない世界なのである。
そのためキャラクターを成長させるには,「フィールドをすみずみまで探索し,あらゆるクエストに介入すべし」というのが,冒険における基本の考え方になってくる。
もう1つ覚えておきたいのがキャラクターレベルの上限だ。レベル上限と聞くと“99”あたりを想像するところだが,「BG3」でのプレイアブルキャラクターの最大レベルは“12”と,かなり低めだ。ただし,繰り返しのレベリング作業がないぶん,そこに至るまで結構な時間がかかることも付け加えておこう。
また,レベル上限が低いのも相まって,敵との“1レベルの差”がかなり大きい。レベル差が2以上になってくると戦いがまぁまぁ厳しく,3以上の場合は後回しにすべき案件と言えるだろう。
「そこはお好みで」と言うところなのだが,ダークアージを除くオリジンキャラクターの性格や人となりを把握したいなら,1周目はカスタムキャラクターでのプレイを推しておきたい。
固有の人物設定を持つオリジンキャラクターたちは,マインド・フレイヤーの幼生体を植え付けられた“仲間”として,冒険中にパーティへと加えられる。主人公に据えずとも,固有のクエストを辿っていけば彼らが背負う運命や末路を見届けられるので,カスタムキャラクターを選択してもなんら問題ないのだ。
ただ例外もあり,ダークアージだけは冒険中に仲間として登場することはなく,主人公として選択した場合のみ物語を楽しめる仕様になっている。後ろ暗い設定が好物な人にピッタリキャラクターだが,ストーリー上で思わぬ展開が起きまくる人物でもあるので,個人的には物語の全体像を把握した2周目以降のプレイをオススメしたい。
バトル編
序盤で見落としがちなのが,すべてのクラスで遠距離,近距離用武器を装備できる点だ。装備できる武器は1つだけ,なんてルールはないのである。
とは言うものの,前衛クラスは近距離用の武器を用いた攻撃が主になるし,遠距離用武器なんていらなくない? と思う人もいるだろうが,そんなこたぁない。
移動距離が足りず敵に近接攻撃を当てられないときは,弓やボウガンで積極的に遠距離攻撃を仕掛けるのも,大事な立ち回りの1つだ。ダメージを与えられる機会を逃さないためにも,前衛クラスといえど遠距離用の武器は忘れずに装備させておこう。
また,装備中の武器に両手用と書かれていなければ,オフハンドにも武器を携え二刀流にできることもお忘れなく(両手用武器を二刀流にする特性もある)。
うっかり者の筆者は,中盤まで弓を装備せず,アスタリオンにダガーを1本しか持たせない無駄な縛りプレイをしてしまっていた。そりゃあ,つらいわけですよ……。
遠距離攻撃がなかなか当たらない,そんなことはないだろうか? 覚えがある人は,攻撃時に発生している“有利,不利”のステータスをチェックしよう。序盤でやりがちなのが,不利判定に気付かずに至近距離で弓やボウガンを放ってしまうおっちょこちょいプレイだ。
弓,ボウガンは敵との距離や高低差によって有利,不利の判定が発生し,判定が不利に傾けばヒットする確率が大幅に低くなってしまう。遠距離攻撃を仕掛けるときは,敵から遠すぎず近すぎない適切な射程距離を心がけることが重要だ。欲を言えば,有利判定を発生させられる高所から撃つのが理想的!
ちなみに,距離による不利判定は,呪文での攻撃にも適用される。一部の例外を除き,“呪文での攻撃は遠距離攻撃扱い”であることも念頭に置いて行動しよう。
クレリックのシャドウハートは,“癒しの言葉”と“傷治療”といった回復呪文を習得する。となれば,ヒーラーとして立ち回らせたくなるところだが,手持ちの呪文が貧弱な序盤においてはあまりオススメできない。
理由は簡単で,「BG3」の世界における回復呪文は被ダメージを上回るほどのヒール量を見込めず,呪文で回復を行っても状況が好転しにくいからだ。
とくに,傷治療はメインアクションを消費する呪文のため,発動したターンはメインアクションでの攻撃を行えなくなる。行動を回復に割くぶん,1ターンで与えられるダメージは低くなるし,回復できる量はすずめの涙。戦闘は無駄に長引き,いずれジリ貧状態に陥ってしまうのだ。
呪文スロットによる回数制限も考慮すると,強めの攻撃呪文にスロットを割き,相手をさっさと倒すのが賢明な判断と言えるだろう。高威力,範囲回復呪文となればまた話は別だろうが,メインアクション,呪文スロットを消費する価値があるかどうかは,よく考えて使おう。
回復呪文に代わり,戦闘中の主な回復手段となるのが癒しの水薬だ。ボーナスアクションで自己回復に使用できる手軽さはもちろん,他者の回復にも一役買ってくれる。
こういった水薬系のアイテムは“飲んで”使うのが一般的だが,「BG3」はひと味違う。「投げ」アクションで対象にぶつけると,相手のHPを回復できてしまうのだ。これは瀕死の仲間にも有効で,近づいて援護のアクションをせずとも水薬をぶつけるだけで戦線に復帰させられる。
さらに驚きなのが,地面にヒットするよう投げると,範囲内にいる複数の対象も回復できる点だ。使い勝手がよすぎる。
気を付けたいのが,ポーションでの回復は敵にも有効なことと,回復不可のバッドステータスが発生してる相手にぶつけると,投げによるダメージを与えてしまうことだ。相手が回復不可の間は,間違ってもポーションは投げないように!(これで仲間を瀕死にさせた経験者からの教訓)
一般的なRPGであれば,レベルを上げて編成を見直そうというアドバイスが適切かもしれない。だが「BG3」では,レベル差のない相手なら“アプローチの仕方を変えてみよう”,この一言に尽きる。
あらゆる攻略法が許容されている本作では,真正面からの当たり合いでスムーズに勝てる戦いのほうがまれ。なにせ,数で劣勢を強いられる戦いが多く,無策の状態で正面突破でもしようものなら全滅まっしぐらだ。
そこで活用したいのが,周辺の環境を利用したズルいアプローチだ。あくまで1つの例だが,大勢の敵と剣を交えるシチュエーションならば,障害物を利用しつつ近くの小部屋に籠城し,入室できる人数を制限しながら少数ずつ相手にしていけば被ダメージを抑えつつ戦いやすい。
遭遇した場所で戦い続ける必要はなく,都合のいい場所までおびき寄せたり,戦場に細工したりして有利な状況を作り出すことで,バトルの難度をいくらか緩和できるのだ。
探索編
短時間の休息である小休憩では一部のHPやスキルの使用回数,リソースを回復でき,1日を終了させる長い休息(就寝)の大休憩では,HPやスキル,呪文スロットなどのリソース全般が全快する。ちょっとした消耗は小休憩で,呪文もスキルも撃ち尽くしたら大休憩をとる運用をしていれば,探索→バトル→休憩を交えた1日のサイクルが身につくだろう。
覚えておきたいのは,大休憩は冒険者同士のイベントを進行させるトリガーになっていること。仲間とともに過ごす野営地でのひとときは,互いの考えや起こった出来事を対話する交流の時間でもある。
ときには,仲間に刃を突き立てる修羅場だったり,ロマンスのはじまりを告げる魅惑的なひとときが訪れたりと,1日の終わりにもお楽しみが待っている。時間制限の設けられたクエストを進行中でないなら,仲間たちのドラマを目当てにこまめに大休憩をとってみるのもいいかもしれない。
初級呪文の1つである“魔道士の手”は,バトル中に囮として機能するほか,フィールド上のオブジェクトを移動したり,プレイヤーキャラでは入れない小さな穴に侵入したりといった行動が可能だ。オブジェクトに干渉可能な性質を利用し,トラップの先にあるレバーを下げさせる,といった身代わり的な使い方もアリだろう。
前回の記事でも紹介したとおり,「欲しいものは奪ってもいい」というのが「BG3」の世界。奪うといっても商人を倒しての強奪は,一部の戦利品しか得られず,見返りとしては見合っていない。
そのため,商人相手なら“スリ”で金品をいただくのがベターだ。相手の視界外(背後)で隠れ身状態になり,[×]でスリを開始したら,目当てのものを1つずつ盗もう。終わったら早々にその場を離れることもお忘れなく。
悩ましいのはアイテムごとに盗みの難度が設定されており,ダイスロールによって成否の判定が出ること。盗みに失敗したり,第三者に犯行を目撃されたりすると,NPCから警告を受けることになり,最悪の場合は投獄されてしまう。脱獄すればいいだけの話ではあるが,できれば捕まらず穏便に済ませたい。ということで,スリのテクニックをいくつか紹介しよう。
★ヌスムマエニセーブ,バレタラロードジャ
★できればターン制モードに
★成功率を高めるなら
★NPCの視線を切る方法
呪文の“導き”や“友情”は,会話シーンで発生する技能判定を有利にしてくれる。自分が望む展開をどうしても実現させたいときは,バフを盛れるだけ盛るのが鉄則だ。
カギのかかった扉や宝箱は,対応したカギがなくとも“盗賊道具”を用いて解錠できる……あたりまでは説明不要だろう。意外と見落としがちなのが,盗賊道具がなくとも呪文の“解錠”を習得していればカギ開けが可能なこと,そして扉や宝箱は力尽くで壊して中身を回収できることだ。
古代の扉からアクセスできる“湿った墓地”内にて,「豪華な装飾が施された石棺」を開くと,不死者シナビとの会話イベントが発生する。会話の中で合流する流れになれば野営地に姿を現すようになり,死んでしまった仲間の復活(200G)とクラス変更(100G),傭兵の雇用(100G)をシナビから行えるようになる。
仲間の復活は“緊急復活の巻物”でも可能だが,落下などで死体が消失してしまった場合はシナビの手を借りるほかない。世知辛い話だが,巻物の価値はやや高めで,非戦闘時にバンバン使っているとさすがにお財布に優しくないので,野営地で起こしてもらうほうが出費を抑えられるメリットもある(微々たるものだが)。
冒険中の出会いがのちにどのような展開を生むかは,そのときにならなければ分からない。なかには,ストーリー進行には関係ないものの,プレイヤーキャラに永続ボーナスを与えてくれる出会いもある。
その例の1つが,エメラルドの森周辺のエリアにて死体の横に居座る犬“スクラッチ”。一見するとただの犬だが,対話によって野営地に呼びこみ,交流をとおして仲を深めるとスクラッチを召喚する呪文を習得できる。クラスに関係なく習得できる永続のボーナススキルのため,ぜひ習得しておきたい。
豆知識編
コントローラでの操作で難儀するのが,複数のロケーションからアイテムを回収するガサ入れ作業だ。漁り済みのものを避けながらタルや宝箱を1つずつ開けるのは,まぁ骨が折れる。
そんなときに活用したいのが[×]長押しで行うアクティブサーチだ。探索中に[×]を長押しすると,キャラクターを中心に円が広がり,範囲内にあるアクセス可能なオブジェクトをリストアップしてくれる。この機能を使えばリストから目当てのものを選択するだけで,その場所へ自動で移動してくれるのだ。中身が空のものも一目で分かりやすく,アイテムの見落としも減るので,ぜひ活用しよう。
探索中に集めたアイテムを売却する際,アイテムをちまちま選んで売るのがなかなか面倒だ。そんな人は,あらかじめインベントリ内で不要なアイテムを“売却品に追加”しておこう。売却品に設定したものは,商人との取引画面で[□]を長押しすれば一括で売却できまっせ。
連戦に次ぐ連戦,探索に次ぐ探索で,なにかとかさばるのが戦利品。気付けば“重荷重”状態,なんてことも。拾ったものを捨てればいい話だが,どうしても捨てたくないもの,重たいものはインベントリ画面から“野営地に送る”で,旅人の箱に収納してしまおう。
オプションでオン,オフを切り替えられる“カルマ・ダイス”は,ダイスロールの結果に偏りを出さないよう連続での成功,失敗を回避する機能。これを有効にしておくと,低い数値ばかり続いたあとに高い数値が出やすくなるなど,ダイスロールの結果がある程度バランスのとれたものに調整される。
出目が悪くなりやすい体質(?)の人にとってはありがたい機能で,初心者ならば有効にしたままで問題ないが,よりD&Dに近い状態で楽しみたいという人はオフにしておこう。
マルチプレイでの冒険中,他プレイヤーがNPCと会話を始めると,そのキャラクターのポートレートに「耳」のアイコンが表示される。その状態で,そのポートレートを選択すれば,会話に参加可能だ。
もし,1つの会話も聞き漏らしたくないというのであれば,オプションから「聞き耳」をオンにしておこう。そうすると,他プレイヤーが会話を始めたときに自動でそこに参加できる。ただ,選択肢の提示されない一言二言の会話すらも聞き耳の対象になるため,場合によっては煩わしさを感じるかもしれない。活用するかどうかはお好みでどうぞ!
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