タイヤの断面幅 1桁目は「5」
text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
よほどクルマにこだわりがない人でないと、意外とそこまで気にすることが少ない印象のタイヤ。
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しかし、どれだけクルマが進化しても、タイヤが路面とクルマを繋いでいるという事実は変わっていない。
そんな自動車を陰で支える重要なタイヤだが、当然車種によってさまざまなサイズが存在しているのはご存知の通り。
そのタイヤサイズを示す表記は「195/65R15」などといった数字とアルファベットの羅列となっている。
この数字の意味は、
・195はタイヤの断面幅(mm)
・65は扁平率(%)
・Rはラジアル(RADIAL)構造を示す頭文字
・15はタイヤの内径(インチ)を表している
というのは、少しクルマに興味のある人であれば常識的に知っていることだろう。
しかし、このタイヤの断面幅を表す数字、どんなサイズのタイヤでも必ず1桁目が「5」で終わることにお気付きだろうか?
軽自動車用の細いサイズから、スーパーカー用の極太のタイヤサイズまで、すべてのサイズが「5」で終わっているのである(一部特殊なクラシックカー用タイヤは除く)。
実はこのタイヤサイズの表記、バイアス構造のタイヤとラジアル構造のタイヤというタイヤの骨格の違いと、そのタイヤを生み出したメーカーが密接に関係していたのである。
バイアス構造とラジアル構造とは?
タイヤはゴムでできている。
といっても、プラモデルのタイヤのように、すべてがゴムでできているというわけではなく、タイヤ全体を形作るカーカスと呼ばれる骨格が存在しているのだ。
その骨格の構造の違いによって、バイアスタイヤとラジアルタイヤと言うふうに分かれているのである。
■バイアスタイヤ
空気入りのタイヤが登場した当時に生み出された構造で、骨格であるカーカスが斜めに配置されている。
そのためBIAS(バイアス=斜め)という呼び方になっている。
■ラジアルタイヤ
バイアスタイヤが誕生してからおよそ60年後に生まれたもの。
カーカスがタイヤの中心から放射状に配置されており、RADIAL(ラジアル=放射状)と呼ばれるというわけだ。
またバイアスタイヤとラジアルタイヤでは、カーカスの材料の違い(バイアスは主にナイロン、ラジアルはスチールやポリエステル)や、カーカスを締め付ける部材の違いなど、外観では判別しにくい部分で大きな違いを持っている。
タイヤとしての性能は圧倒的にラジアル構造のものが優れており、近年のクルマに装着されるタイヤのほぼ100%がラジアルタイヤとなっている。
ただ、バイアスタイヤも低速、悪路走行での乗り心地が良い点や、比較的製造方法が容易というメリットがある。
よってモーターサイクル用や産業、建築、農業機械用のタイヤとしてはまだまだ現役なのだ。
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