セリーナの時代は終わった! 2度目の優勝を狙う世界3位の大坂なおみ(23=日清食品)が18年全米決勝の再現で、4大大会23度の優勝を誇る“生きる伝説”同11位のセリーナ・ウィリアムズ(米国)を6-3、6-4のストレートで下し、2年ぶり2度目の決勝に進出。今大会後に発表される最新世界ランキングで2位復帰が確定した。決勝では同24位のブラディ(米国)-同27位のムホバ(チェコ)の勝者と対戦する。

大坂が、世代交代を示した。98年全豪で4大大会本戦デビューを果たして以来、パワーで女子テニス界をねじ伏せてきたセリーナを、大坂が逆にパワーで抑え込んだ。これまで、セリーナに完全と打ち勝った選手はいない。それだけに、大坂が時代を奪った一戦だった。

18年全米決勝では、主審の判定を巡り、セリーナが大暴れ。警告から失点するなど、大騒ぎとなり、会場中が異様な雰囲気に包まれた。その中で誕生した4大大会初の女王が大坂だった。その因縁の対決を、今度はコロナ禍の中で、再び大坂が制した。

事実上の決勝だと言われた。もちろん、決勝で対戦する両者ともに、セリーナよりは下位だ。しかし、失うものがない強さは決して侮れない。ブラディは大坂に負けないサーブ力とパワーがあり、ムホバは大坂にないオールラウンドタイプだ。やっかいな相手であることには違いない。

しかし、今の大坂には、自分から崩れるという以前の悪癖がない。その分だけ、自分の持てるすべてを発揮できる可能性が高く、十分に2度目の全豪制覇は見えてくる。