欧州カップ戦の常連として知られる両クラブだが、意外にも直接対戦したことは過去に2度しかない。 2016/17シーズンのCL決勝トーナメント1回戦で激突し、1stレグと2ndレグともにユベントスが勝利。2戦合計スコア3-0でベスト8に勝ち上がったユベントスは、その後決勝まで駒を進めてレアル・マドリードと対戦した。 クラブ同士に対戦経験が乏しい一方で、個人レベルでは興味深い関係性が数多く見て取れる。ユベントスに所属するDFアレックス・サンドロとDFダニーロは、ともにポルトが古巣。しかも、母国ブラジルを出て欧州で初めて在籍したクラブがポルトだった。 同時期にポルトガルの名門で主力を担った2人は大きく飛躍を遂げ、ブラジル代表にも選ばれるように。アレックス・サンドロは2015年夏に、ダニーロはレアル・マドリードやマンチェスター・シティを経て2019年夏にユベントスの一員となった。 UEFA公式のインタビューに応じたダニーロは「ポルトと対戦するという事実をまだ受け入れられていない。退団して以降もポルトは僕のクラブであり、ずっと応援している。特別な試合で、注目されているし、応援してくれている人たちにとって楽しいものになることを願っている。そして、最終的にはユベントスに有利な形で終わることを願っている」と、古巣対決への思いを語った。 同様にアレックス・サンドロも古巣戦に向けて「CLでビッグクラブと対戦するのを楽しみにしていた。ポルトはいつも、ホームで強豪相手に素晴らしいパフォーマンスを見せる。僕たちも彼らのことはよく知っているし、簡単な試合にならないことも確信しているが、素晴らしい試合をする準備はできている」と意気込んでいた。 監督同士も現役時代に対戦経験がある。ポルトのセルジオ・コンセイソン監督がインテル時代、ユベントスのアンドレア・ピルロ監督が在籍していたミランと、ミラノ・ダービーでしのぎを削っていた。今度はコンセイソン監督の18歳の息子が選手としてピルロ監督率いるチームと対峙することになるかもしれない。父はあくまで「他の全員と同じようにリストに登録されている選手の1人だ」と強調したが、展開しだいではビッグゲームに出場するチャンスもあるだろう。 もう1つ興味深いデータは、ユベントスのエースFWクリスティアーノ・ロナウドが過去にポルトと6度対戦して、一度しか勝てていないというものだ。スポルティングCP時代に2試合、マンチェスター・ユナイテッド時代に4試合の対戦経験がありながら、勝てたのはユナイテッド時代の一度だけ。どのクラブに対しても脅威だったポルトガル出身の偉大なFWにも、苦手な相手がいるのである。 前日記者会見に出席したポルトのMFヘスス・コロナは「クリスティアーノ・ロナウドのことは誰もが知っている。チームとして最善を尽くさなければならない。コンパクトかつ強固に、そして極めてアグレシッブでなければならない」と述べ、エース封じに自信を覗かせた。そして、勝利に不可欠なのは「勝者のメンタリティと競争心を常に持ち続けること」だと力強く語る。 コンセイソン監督も「クリスティアーノはすべてのポルトガル人にとって誇りでなければならない。それは明白だ。彼のクオリティを表現できる形容詞はない。数字は彼自身を物語っている」とクリスティアーノ・ロナウドを称賛しつつ、「個人のスポーツではない」と、あくまで組織として対抗していく姿勢を示した。 下馬評ではおそらくユベントス優勢と見られているだろう。だが、何が起こるかわからないのがCLの決勝トーナメント。お互いにチーム状態が芳しくないなか、ポルトが番狂わせを演じる可能性も十分にある。1stレグの戦いの場は、ポルトの本拠地エスタディオ・ド・ドラゴンだ。
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