Pages

Saturday, July 9, 2022

【教えて、先生!夏の自由研究のヒント】場所を決めて気長にチョウを観察してみる|読むらじる。|NHKラジオ らじる らじる - nhk.or.jp

【教えて、先生!夏の自由研究のヒント】場所を決めて気長にチョウを観察してみる

22/08/28まで

子ども科学電話相談

放送日:2022/07/03

#子ども科学電話相談#サイエンス#昆虫#SDGs

11時台を聴く
22/08/28まで

もうすぐ夏休み。宿題でよく自由研究が出されますが、何をするか、皆さんはもう考えていますか。きょうは、子ども科学電話相談の「昆虫」の3人の先生に、「こんな自由研究はどうかな?」というヒントを聞きました。(聞き手・石井かおるアナウンサー)

【出演者】
清水先生:清水聡司先生(大阪府営箕面公園昆虫館 副館長)


――清水先生、お願いします。

清水先生: 僕はチョウチョをテーマに自由研究してほしいなあと思ってます。各所で今、自然環境が破壊されて問題が起こってるじゃないですか。ただ、それをみんながどこまで身近に感じられているのかなあと思っていて、やっぱり知ってこそ、これからどうしていこうかなっていうのを考えられると思うんです。だからまずはどういう状況になっているかを、自分で調べて知ってほしいんです。まずね、難しいものを調べる必要はないんですよ。身の回りのチョウチョをね、僕は調べてほしいなって思ってるんですけれども。

――おうちの近くの公園とか?

清水先生: そうですね。どこでもいいんですけど、まず自分で、ここで調べるという場所を決める。同じ場所で毎日同じ時間に調べるとか、ルートを設定して決めた時間・決めた距離を歩くというのを、まず今年、ずっと続けてみる。できたら何年か続けて、去年と比べて今年はどうかなとか、そういうのを積み重ねていってほしいんです。例えば環境省の「モニタリングサイト1000」という、全国的に呼びかけてしている調査があるんですけれども、そういうところにまぜてもらって、やっぱり自分自身も勉強しないと、急にチョウチョを見るといってもわかんないでしょう?

――そういう調査に、小学生とか中学生も参加できるんですか。

清水先生: そういうのを「みんなでしましょう」と募集している団体とかがあると思います。僕らのところでも、あるNPO法人さんが、そういうトランセクト調査のやり方っていうのをこのあと2回ぐらい講演というか勉強会を開いてくれることになっているんです。

――子どもたちも参加できる?

清水先生: できます。ですからそういうところに参加してみると、例えばチョウチョなんて、見てわかる種類が結構多いんだけれども、慣れていないとわからないので、わかっている人と歩いて訓練を積むといいんです。あと、僕らが今回出した本……

――清水先生の最近の共著は、まさに『身近なチョウ』というタイトルですね。

清水先生: これもやっぱりそういう目的もあるんですね。飛んでるチョウの種類はこうやって調べるんですよ、止まってるときはこうですよ、っていう。わかんなかったら、最近はスマホで写真がすぐ撮れますから、それを持って帰って調べればいいんです。飛び方はこんなんです、飛んでるときの色はこんなんですとか、僕らはこういう特徴を見ていますというのを、この本にはちょっと書いたんですね。

別にこの本を見なくてもよくて、慣れた方と一緒に歩くだけでもどんどんステップアップしていけるので、まず能力を身につけてもらう。そして、自然を肌で感じてもらうというような、そういう気長な調査とか。でもそれはちょっと時間がかかり過ぎるなとか、あともう少しテーマを絞って調査したいなとか、ありますよね。

――夏休みの間にできそうなのがいいですよね。

清水先生: そうですよね。例えばチョウチョって、目で見て相手を判断します。結婚相手を探すのに目で見ます。さっきの本に書いたのは、僕らがチョウチョをどういう特徴で見分けているか、ですけれども、チョウチョどうしはどうやって仲間を見分けているのかというような、そういうところを調べるのも面白い。例えばアゲハチョウは、黒と黄色のしましまの部分を見せると寄ってくるんですよ、羽の形がなくても。

――えっ、そうなんですか!

清水先生: そうなんです。あの特徴にパッと寄ってくる。違うと思ったら逃げていきます。

――チョウチョの形、してなくてもいいんですか。

清水先生: そうなんです。全体を見ているものもあるかもしれないですけれど、そういうのを調べると、面白いでしょう?

アゲハチョウの場合は、僕らからは黒と黄色に見えてますけども、彼らには紫外線が見えるので実際には黒と緑でないと、来ないとか、そういう細かいところがあります。青い小さなまだら模様がいっぱい入ったリュウキュウアサギマダラというチョウチョなんかを温室で見ていると、ナガボソウっていう、細長い穂にちっちゃな青い花がポンポンと2つ両側に咲く花があるんですが、その前にオスが飛んできて、ホバリング、求愛行動をするんです。だからその青い点々に反応してるんですよね。

じゃあそれは全体を見ているのか、部分を見ているのか。部分を見ているとしたら、どういう特徴を見ているのかっていうのを自分で調べてもらうと、すごく面白いと思います。科学的だと思いますし。そういうことをしながら、ちょっとでも自然に興味を持ってもらうきっかけになれば、面白いのかなと思います。

――チョウの中でも、自分がどこに注目するのか、どこに行って調べたらいいのか、決めてやってみると。

清水先生: テーマを深掘りする、と。ただ気をつけてほしいのは、チョウチョってお花も目で見て判断しますので、お花だと思ってきているのか、仲間のチョウチョだと思ってきているのかを、しっかりと観察してほしいなと思います。

――いろんなことを知るためにも、近くの昆虫館などでやっている昆虫のことを知るような会にも参加してみるといいですね。

清水先生: うまく利用していただければ、僕らもうれしいなと思います。

――ありがとうございます。


【放送】
2022/07/03 子ども科学電話相談「昆虫」 清水聡司先生(大阪府営箕面公園昆虫館 副館長)

11時台を聴く
22/08/28まで

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 【教えて、先生!夏の自由研究のヒント】場所を決めて気長にチョウを観察してみる|読むらじる。|NHKラジオ らじる らじる - nhk.or.jp )
https://ift.tt/4rsFhH7

No comments:

Post a Comment