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Monday, September 11, 2023

認知症支援 実母の日記にヒント 初期の攻撃性は「不安と恐怖の裏返し ... - 南日本新聞

講演する齋藤正彦さん=都城市のウエルネス交流プラザ

講演する齋藤正彦さん=都城市のウエルネス交流プラザ

 宮崎県都城市は、認知症への理解を深める講演会を開いた。精神科医で都立松沢病院名誉院長の齋藤正彦さん(71)が、アルツハイマー病と診断された母親が日記につづった認知機能低下を示す記述を紹介しながら、認知症の高齢者が抱える苦しみや不安、支援のあり方などについて語った。

 同市のウエルネス交流プラザで2日あった。母親は76歳の時、未払いの自覚がない着物の仕立て料を齋藤さんが勝手に支払ったことに怒り、時間を経ても怒りがぶり返していることを日記に書いた。齋藤さんは「認知機能低下の初期段階に表れるイライラや攻撃的言動は、自分の能力に疑問を感じ始めた本人の不安と恐怖の裏返し」と指摘した。

 それ以降、料理に失敗する、ビデオや携帯など機械操作ができないなど、実行機能の低下を示唆する記述が増える。「実行機能が低下すると、動作過程が見えにくいデジタル系の機械操作や、言語で指示を受けて何かをやることも難しくなる。動作が見えるアナログに換える、指示は書いてあげるなどが大事になる」

 齋藤さんは「認知症の高齢者は、自分の症状を客観的に認識できないかもしれないが、支援する側も認知症による不都合、高齢者の心の問題を十分理解できているとはいえない」と強調。「自分の身に置き換えれば、認知症対策のあるべき姿が見えてくる」と締めくくった。

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