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Wednesday, February 21, 2024

女性が自分に使える時間は「深夜の30分」 経験が事業のヒントに:日経xwoman - 日本経済新聞

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(下)忙しい女性が、貴重な「自分のための時間」の価値を最大化できる商品を作りたい

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イタリアのヘアケア製品とともに文化も伝えたいと2018年に共同経営者とともに輸入商社のエルゴン・ジャパンを起業した長谷川悠里さん。当初はまだ拠点をイタリアに置いていました。起業翌年に出産し、事業を軌道に乗せるために産休も取らずに働き続けたそうです。そのときの経験から、新しいブランドを立ち上げる構想が生まれたといいます。

(上)イタリアの女性経営者がブレない秘密は古典 刺激を受け起業を決意
(下)「産休ゼロ」でがむしゃらに働いた経験が新ブランド構想のきっかけ ←今回はココ

編集部(以下、略) 起業当初はどのように販路を拡大していったのですか?

長谷川悠里さん(以下、長谷川) まずは美容室に売り込みをかけ、1年間で110店ほどに取扱店を増やしました。まだ子どももいませんでしたので、連日深夜まで寝る間も惜しんで、やれることは全部やったと思います。

 当時はまだサステナビリティに注力しているヘアケアブランドが他にあまりなかったこともあり、翌年には百貨店さんからお声がけいただけるようになりました。ブランドとして長年取り組んできたフェアトレードや女性の自立支援などの実績があったのが強みになりました。

 3年目の2020年には売り上げが億単位に伸びて、私も経営の何たるかが少し分かってきて、自信がついてきたのと同時に、子どもも生まれて、深夜まで働くことだけが仕事じゃないと分かってきたように思います。

エルゴン・ジャパン 代表取締役 長谷川悠里さん

エルゴン・ジャパン 代表取締役 長谷川悠里さん

―― 立ち上げたばかりの会社を守るためとはいえ、出産当日まで仕事をしていたとは、かなり無理をしましたね。

長谷川 そうですね。ちょうどその頃、新型コロナウイルス禍で打ち合わせや商談もオンラインでやりとりできるようになっていたから、そんな働き方ができたのかなと思います。

役員報酬を全部ベビーシッターに充てても社会的地位を守りたいイタリア女性

 友人のイタリア人女性経営者たちはかなりのハードワーカーで、自分の役員報酬を全額つぎ込んででも家事代行サービスを依頼したり、隣でベビーシッターさんに子どもを見ていてもらいながら完全母乳で育てたりしながら激務をこなしています。そういう闘い方をしているのを見てきました。

 社会的な自分の居場所をなんとしても保持しておくということに、彼女たちは一番気をつけています。1年間子育てで職場を離脱してしまうと同じポジションに戻れないリスクがあるからです。

 その働き方を日本人に当てはめるのが良いのかというと、そうとはいえません。では「日本の女性が働きながら子育てしても社会的なポジションを失わないためにどんなツールが必要なのか」、と考えたところから新しいブランドを立ち上げようという発想が生まれました。

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