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Friday, May 24, 2024

若者の熱意が産地の希望 人手不足解決のヒントに - 繊研新聞

5月18日に東京で初開催した、遠州産地の若手主導プロジェクト「エントランス」イベントの様子。職人自らが産地について語るトークイベントも開き、就活生との接点も広げた

 4月中旬から半月にわたり、産地に移住する若い人たちを報道した。「産地で働きたい」と慣れ親しんだ土地を離れ、身寄りのない新たな土地で奮闘する姿を報道したいと思った経緯、連載を終えて感じていることを紹介する。

(名古屋編集部=森田桃子)

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移住者の熱意に

 連載のきっかけとなったのは、1回目に取り上げた小塚毛織(愛知県一宮市)に訪れた際、いきいきと織機を動かす若い女性社員に出会ったこと。SNSを通じて同社を知り、その個性ある物作りにひかれ、「ここで働きたい」と県外から移住したという。一度断られても再度アプローチをかけるほどの熱意に感動したと同時に、希望も抱いた。

 産地の人手不足の現状は耳にしていたが、熱意と繊維産業への興味を持つ人材が、もっとたくさんいるような気がしたからだ。熱意ある移住者の傾向や、選ばれる産地・会社を知り、人手不足解決のヒントを探ること。移住就職による課題を知ること。この二つを軸とし、社内で情報を募り、13回の連載になった。

場所、働き方に柔軟さ

 取材時に感じたのは「自分らしい働き方、学びのために場所を問わず挑戦したい」という意識だ。技術を学びたいという熱意はもちろん、移住自体のハードルが低くなっている。学生時代からのオンラインのアルバイトで生計を立て、産地に移住した後に就職活動を行う人もいたほか、場所を問わず友人たちともオンラインで交流できる。常につながれる時代になったのは大きい。

 一方、柔軟なのは場所だけでなく、就職への考え方にも表れる。移住者に限った話ではないのかもしれないが、若い就職者の素直さ、正直さを新鮮に感じた。独立の意志や、「ずっと働けるか分からない」といった揺れ動きを正直に伝えた上で就職する例も一つにとどまらない。対する雇用者側でも、そうした意志を尊重する姿勢が目立った。

 ずっと働いてほしいのはもちろんだが、辞めたからと言って全てゼロになるわけではない。移住者ならではの熱意が周辺社員への刺激につながることや、これからの移住就職者のモデルになるなど、若者の意志を自社にとってのプラスに転換した企業に人が集まった。

働きたい人に届かない

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