<日本生命セ・パ交流戦:オリックス0-5阪神>◇13日◇京セラドーム大阪
阪神が「関西ダービー」3戦目を制し、今季2度目の同一カード3連敗を阻止した。4回1死二、三塁から遊ゴロ野選の間に決勝点を奪取し、その後も加点した。日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)は決勝点をもぎ取った三塁走者・原口文仁内野手(32)の走塁を高評価。四球や走塁から好機をつくった打線に明るい兆しを感じ取った。【聞き手=佐井陽介】
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結果的には阪神原口選手の激走ホームインが決勝点となりました。両チーム無得点の4回無死、フルカウントから四球を奪取。1死二、三塁から梅野選手の遊ゴロで間一髪ホームに滑り込んだシーンが、この日の勝利を象徴していたように感じます(記録は野選)。
前進守備を敷いていた遊撃への正面のゴロ。オリックス紅林選手のワンバウンド送球は決して間違った選択ではありませんでした。少し打球に差されながら捕球しており、そのまま投げればボールが浮きかねなかった体勢。だから、あえてワンバウンド送球を選んだのだと想像します。それでも決して速くはない原口選手の足が勝った形。非常に際どいタイミングではありましたが、スタートから100%のスピードを出し切れたから得点をもぎ取れたのは間違いありません。
点の取り方、好機の作り方にはいろいろな形があります。その点、この日の阪神は四球や走塁を絡めた本来の形を取り戻せていたように感じます。たとえば2回は1死から原口選手が左翼ポール際に大ファウルを放った後、フルカウントから四球をゲット。1死一塁からミエセス選手が遊ゴロに打ち取られながら、間一髪の併殺崩れで一塁に残ったところから2死満塁まで持っていきました。木浪選手や森下選手の適時二塁打、原口選手の本塁打だけでなく、粘りや走塁から好機を作れた流れに、今後に向けたヒントが隠されていたような気がします。
オリックスは初回、無死一、二塁から3番広岡選手が犠打を決められませんでした。その上、広岡選手がフェンス際まで届かせた中飛で、二塁走者の来田選手がタッチアップできない判断ミスもありました。この日に限れば、走塁面での細かい差が勝敗を分けたようにも感じます。安打や適時打、本塁打がなくても地道に好機をつくることはできます。得点力不足に苦しむ阪神打線。この日のような「好機の作り方」を大事にしてほしいものです。(日刊スポーツ評論家)
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