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Thursday, May 14, 2020

その手があったか 酒井威津善の【儲けのヒント】〜第5回 マネタイズ②〜 - KaikeiZine

コロナ禍の影響の中、BCP(事業継続計画)を前提に、飲食店、小売業をはじめ多くの業界にて、従来のビジネスモデルを大きく変換せざるを得ない状態が起きています。
そうした中、新しい事業を考える(もしくは既存事業を見直す)上で、ポイントとなるのが「これまでにない切り口」をどうやって見つけるか、です。第5回は、「マネタイズ」による事例を2つ、そして発想方法についてご紹介します。

第4回でご紹介したとおり、マネタイズには、次の19種類がありました。

ビジネスモデルの要素のうち、商品やサービス、提供方法などその他の要素はそのままに、「課金体系」や「価格」、そして「課金目的」を変える、それがマネタイズの視点に基づく発想でした。

課金だけを変えただけでは?と思われるかもしれませんが、トヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」に代表されるように、課金方法を変えるだけでビジネス全体のイメージや性質が大きく変わる可能性を秘めています。

続けて、マネタイズに関する2つの事例をご紹介しましょう。

マネタイズのアレンジによる事例

1例目は、RELATIONS株式会社が展開する成功報酬型のコンサルティングサービス「Less is plus(https://less-plus.com/)」です。

目に見える、つまり「動産」や「不動産」であれば支払いの遅延など万が一の場合、商品などを回収する、納品や提供自体を止める、またはキャッシュ・オン・デリバリーでのみ対応するといった対策を講じることができますが、こうした見えないサービスの場合、そのような対策を打ちにくい。

この事例は、マネタイズという観点から、とてもシンプルでありながら、そうしたビジネス特有の性質に基づく「ある種の常識や思い込み」を覆し、見事な結果を生み出している好例です。

2例目も同様に「これはこういうものだ」という常識を覆した事例です。

給与前借りサービス「Payme(https://payme.tokyo/)」。

給料日前は誰しも心もとないもの。給与の少ないアルバイトやパートの方や若い人にとっては特に、です。こうした事情を福利厚生の一環として、サービスに加入した企業で働いていれば、必要に応じて自分の給与からPCやスマホアプリで前借りできるというサービス。前回までご紹介した「利用者の利用シーン」に立った見事な好例です。

マネタイズに基づく発想方法

前回、そして今回とご紹介した事例のようなビジネスモデルは、一体どうすれば着想できるのでしょうか。結論から言えば、ショートカットは「ありません」。しかし、単純かつ着実な方法が2つあります。

1つめは、冒頭でご紹介した19種類の方法を総当りで掛け算をしていくやり方です。例えば「学習塾」。一般的には、提供される授業回数や内容、期間などに基づいた「授業料」や入会時の「入会金」が主なマネタイズです。これを一旦頭の中から避けておき、別のマネタイズをとにかく掛け算するのです。「学習塾」✕「従量課金」、「学習塾」✕「クラウドファンディング」、「学習塾」✕「授業料」といった具合に。

2つめは、「別の業界のマネタイズ」を当てはめてみる、です。

別の業界と言っても、できるだけ遠い業界がベストです。学習塾と同様の「学校」や「幼児教育」などのそれを持ってきても、当然大きな変化は見込めません。ではなく、できるだけ相似性の少ないもの、例えば「介護」や「運送」、はたまた「金融」といった業界のマネタイズを持ってくるのです。

具体例は割愛しますが、「学習塾」✕「運送」、「学習塾」✕「金融」など、一見しただけでも今の常識から離れた何かが出てきそうな予感がしませんか?

こうして掛け算を進めていくと、いずれの方法でも現在のビジネス形態のままでは成立しないパターンも出てきます。その場合は、現行のビジネスフローも合わせてアレンジしながら、機能するか、成立するかどうかを検討してみましょう。

上述の2つの発想方法に限らず、新しいビジネスを考える発想の最大のポイントは、常識という「フィルタリング」をいかに外せるか、です。常識は本来、社会という共同体での「共通言語」です。日常においては、欠かすことのできないものですが、新しいビジネスの発想には何の役にも立ちません。

自分の感覚、価値観では違和感を感じたとしても、その「常識」は一旦横へおいておき、とにかく思いつくまま書き出してみましょう。2つの事例のように「そんなはずはない」「そんなことはできない」といった先入観を回避した先に、誰もが見落としているチャンスがあるのです。

緊急事態宣言の延長が5月末まで決定し、グーグルが年末までテレワークを継続すると発表するなど、いよいよ長期戦の様相を呈してきました。資金繰りなどの足元の対策は言わずもがな、今年を超え、来年の事業年度まで見越した広い一手が必要です。新たな発想の切り口の1つとして、「マネタイズ」を変えることができないか、ぜひ、試してみてください。

フィナンシャル・ノート代表

東洋情報システム(現TIS株式会社)にて10年間に渡り、法人向けシステムの企画・設計に従事したのち、不動産証券化業、住宅建設業、人材紹介業、システム開発業、遊技機製造業などで計12年間CFO(財務責任者)を歴任。2016年独立。新しいビジネスモデルの創出支援、設計及びサポートなどを行なう。著書に「儲けのしくみ 50万円からできるビジネスモデル50」「儲けのしくみを誰でもつくれるすごいノート」(自由国民社)、「起業のための儲けの教科書」(ソシム)がある。

■新しいビジネスモデルの発見とヒント
http://financial-note.com/ 
■シェアーズカフェ・オンライン
http://sharescafe.net/author/itsusakai

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