大人もあこがれる“秘密基地”のような隠し部屋がある賃貸マンションが東京・西巣鴨に登場した。伊藤忠都市開発が新設した「クレヴィアリグゼ西巣鴨」の住戸で、大手デベロッパーが賃貸マンションに隠し部屋を設けるのは非常に珍しい。働き方改革や新型コロナウイルス禍などで生活スタイルが変わる中、消費者の新たなニーズを探る。
左の棚が隠し扉になっている隠し部屋は数年前からブームになり、戸建て住宅に設けられるケースが多い。伊藤忠都市開発は、平成30年に大学生とのワークショップで5年後の住まいのアイデアを募ったところ、その中に交流サイト（SNS）の裏アカウントのような秘密の部屋のアイデアがあった。その後、コロナ禍に見舞われ、「おうち時間」が増加。同社はここぞとばかりに温めていたアイデアを引き出し、今年、都内の賃貸マンションで“裏アカ部屋”を実現させた。ワークショップから5年後となる来年1月から募集を開始する。
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備え付けの本などを置ける棚が隠し扉となっており、棚の裏に隠し部屋を設けている。広さは約3.4平方メートルと趣味を満喫するにはちょうどいい。部屋内には棚もある。壁の一部は鉄製ボードのため、画鋲（がびょう）などで穴を開けたり、粘着テープをはがす途中で破れたりしてほしくない大事なポスターや写真を磁石で貼ることができる。
棚の隠し扉をあへると隠し部屋が現れる（伊藤忠都市開発提供）
?裏アカ?をイメージした隠し部屋（伊藤忠都市開発）また、リビングの一部の壁も鉄製ボードになっており、オリジナルの磁石付きボックスを階段状に取り付けることでキャットウオークを設けられる。
この賃貸マンションは都営三田線西巣鴨駅から徒歩9分の閑静な住宅街に立地しており、隠し部屋付きの住戸は1戸。隠し部屋を含む2DK、広さ31.55平方メートル。女性の1人暮らしやカップルを想定している。家賃は月17万円前後を予定している。同社は西巣鴨のマンションで隠し部屋のニーズを把握しながら賃貸での展開を進める考えだ。（遠藤一夫）
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