『思考の質を高める 構造を読み解く力』
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『ごんぎつね』を読んで、別の登場人物の心情を想像してみると、「同じ場面に居合わせたとしても、思うことや考えることは違うのだ」という当たり前のことに改めて気づかされる(写真はイメージです) Photo:PIXTA
おすすめポイント
これからの時代、組織を越え、さまざまな立場の人が協同するプロジェクトが増えることはほぼ確実だろう。そんな時代にあっては、気心の知れたメンバーだけで成り立つ「あうんの呼吸」のコミュニケーションは通用しない。「思考を整理して相手にわかりやすく伝える力」と「相手の言いたいことを的確に理解する力」、そして「相手の事情や心情を想像して立ち回る力」がますます必要性を増すはずだ。こうした力のことを本書では「構造を読み解く力」と言う。
「構造を読み解く力」を身につけるには、どのようなトレーニングが有効なのだろうか。そのヒントは小学生・中学生・高校生のときに受けた国語の授業にある。
わたしたちは国語の授業で、論説文や説明文、物語文をじっくり読み解いた。その文章が最も伝えたいメッセージを的確に表した一文を選んだり、文章をいくつかの段落に分けたり、登場人物の心情を想像したり……このような授業のねらいを一言で言うと「構造を読み解く力」を磨くことだったのである。
コンサルタント出身で、グロービス経営大学院でクリティカルシンキングなどの授業を担当する著者によると、「構造を読み解く力」が身につくと、思考力が養われ、インプットとアウトプットのレベルが上がるだけでなく、会議や交渉ごともうまくいく。つまり「構造を読み解く力」はビジネスパーソンの必須スキルなのである。ビジネスパーソンとしてレベルアップしたい方は、ぜひ本書を手に取ってほしい。(ヨコヤマノボル)
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