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Thursday, February 8, 2024

《若手記者が行く》ぬいぐるみワールドの扉を開けて ファッション業界へのヒントを探る - 繊研新聞

 ぬいぐるみ(布製玩具)の世界市場は、20年に104億ドルに達し、30年には142億ドルに拡大するとされている(グローバルインフォメーション調べ)。毎年約3%の成長が見込まれ、順調な推移を見せている市場の一つだ。新型コロナの影響で「自分自身を豊かにするもの」に注目が集まったこともぬいぐるみ需要が高まった理由の一つとされているが、近年ではインテリアや癒やしアイテムなど明確な用途を持ったぬいぐるみが雑貨、家具、アパレルなどのショップで販売され、玩具の域にとどまらない支持を集めている。装うことで自分を主張し、生活を豊かにする「ファッション」業界へのヒントを、ぬいぐるみへの取材を通して探ってみた。

癒やしアイテム

●りぶはあと セミリアルが愛着生む

 かつては寝具やインテリア雑貨を製造・販売していた、りぶはあと(東京)は7、8年前に新規事業として「ねむねむアニマルズ」を開発、販売を始めた。当初はキャラクターグッズではなく、クッションや抱き枕など、癒やし要素のある雑貨として開発された。

 デザインのテーマとして「セミリアル」を掲げ、「動物をデフォルメしつつ、あまりキャラクターっぽくならない」見た目が愛着を生む。抱き心地にもこだわり、中わたに長繊維を使うことで見た目以上の重量感を実現した。

ねむねむアニマルズ「柴犬のコタロウ」

 ねむねむアニマルズのヒットを受けた同社は、キャラクター性をよりプッシュしたぬいぐるみブランド「ルーミーズパーティー」や、ねむねむアニマルズのキャラクターグッズ、娯楽施設の限定品のOEM(相手先ブランドによる生産)など、ぬいぐるみ事業を横展開している。

ブランディング

●シュタイフ 知名度生かしタイアップも

 クマのぬいぐるみ「テディベア」のメーカーとして世界的な知名度を誇るドイツのシュタイフ。テディベアの左耳に付けられた「ボタン・イン・イヤー」は、100年以上の歴史を持つブランドタグだ。「子供たちには最良のものこそふさわしい」という企業理念のもと生産されるぬいぐるみは、アルパカ、モヘヤなどの素材を使用した高級商品。製品クオリティーや人体・環境に無害な点を保証する認証も取得している。

シュタイフのテディベア

 ぬいぐるみに玩具や景品などのイメージが根強かった日本市場では、高級ラインのシュタイフ製品は浸透しきらなかったが、コロナ禍でのおうち時間で、改めてブランド商品としての注目が集まった。ブランド力を生かした協業も人気。ミュージシャン、映画、高級アパレルブランドなどとタイアップするなか、日本では人気アニメとの協業、ひな祭りや端午の節句に合わせた商品をラインナップ。各国ごとの「文化とのタイアップ」でオリジナル商品を打ち出す。

上質&トレンド

●ボントントイズ 素材で表情変わるミッフィー

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