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Saturday, May 11, 2024

AnthropicのAIチャットボット「Claude」を使いこなすための6つのヒント - WIRED.jp

Anthropicのプロダクトデザイン責任者であるジョエル・ルーエンスタインは最近、新居にある灌漑システムを自分で調整したという。そのとき必要になった調べ物をするため、彼はインターネットで製品マニュアルを探すのではなく、Anthropicのチャットボット「Claude」のアプリをスマートフォンで開き、写真を撮った。アルゴリズムはその画像を分析し、灌漑システムの各ノブが何をするのかという説明を付け加えてくれた。

昨年わたしはChatGPTのOpenAIの画像認識ツールをテストしたが、この機能は少なくとも一部のタスクには便利だと感じた。例えば、家で雑然としているコードの種類を特定するためなら、いまある人工知能(AI)の画像認識で十分かもしれない。ただ、パッケージに入っていない薬が、一体何という薬なのか教えてはくれない。

Anthropicは5月にiOSアプリ「Claude」をリリースした。わたしは、さまざまなチャットボットを試すという今年の目標に沿って、アプリ版のClaudeを試してみることにした。そして、ルーエンスタインにオンラインで取材をし、Claudeを使い始める際のアドバイスや、有益な回答を引き出す質問の仕方について訊いた。

チャットボットと“おしゃべり”する

Google 検索が長年にわたってウェブを支配してきた結果、わたしたちは率直で簡潔なクエリを入力することに慣れてきた。Claudeのようなチャットボットを最大限に活用するには、そのようなアプローチから脱却する必要がある。「Google 検索とは違うんです」とルーウェンスタインは言う。 「3つのキーワードを入れるのではなく、本当に会話をしていると思って入力してみてください」。彼は実用的すぎるコミュニケーションスタイルを避け、プロンプトをもう少し冗長にするよう勧めている。短いフレーズではなく、数センテンス、あるいは数段落のプロンプトを書いてみよう。

写真を共有してみる

AI画像解析はAnthropicのチャットボットにとってはまだかなり新しい機能だ。3月にリリースされたばかりだが、素早く質問を投げかけるには有効な方法になりうる。ルーエンスタインは画像をClaudeとの会話の出発点として使うことを勧めている。この機能は必ずしも精度が高くないかもしれないが、限界があることを念頭に置きつつ、画像がクエリに役立つ機会を探そう。

コンテクストをはっきり伝える

まだ思うようなアウトプットが得られない? トラブルシューティングの確実な方法は、枠組みを指定してプロンプトを書くことだ。「人間に話しかけるようClaudeに話すだけだと、実際にはうまくいかないかもしれません」とルーエンスタインは言う。その代わりに、Claudeにどのような形式で回答してほしいか、例えば箇条書きにするとか、短い段落にするとか、多すぎるくらいのコンテクストを与え、Claudeが使うべきトーンについて明確な指示を与えるのだ。叙情的な答えが欲しいのか、それとももっと技術的な答えが欲しいのか。また、Claudeが想定している読者が誰なのか、そのトピックについての知識レベルはどの程度なのかを伝えることも検討しよう。

同じチャット内でもう一度試してみる

Claudeに質問しても、最初からよい回答が得られないかもしれない。その場合、最初のプロンプトは出発点に過ぎないことを心に留めておこう。チャットボットを正しい方向に導くには、フォローアップのプロンプトと明確な質問をするのが重要なのだ。

チャットボットと対話していて出力がうまくいかないと感じるとき、わたしはすぐに新しい会話のスレッドを立ち上げてしまう。ルーエンスタインによると、これは最善のアプローチではないそうだ。

同じチャットウィンドウにとどまり、トーンから構成まで、変えてほしいことをボットに直接フィードバックする方がいいとルーエンスタインは言う。例えばClaudeの文書要約の出力結果がわかりにくかったとき、彼は次のようにフォローアップの質問をしたそうだ。「難しすぎる。これらの単語の意味がわからない。もう一回トライしてもらえますか。そして、もう一段階わかりやすくしてください」

いくつかの文書をアップロードする

アップロードされたデータを分析する能力もClaudeの強みだ。この使い方は、仕事の場ではかなり役立ちそうだが、それ以外の場合にも使える。文書をまとめてアップロードすれば、Claudeは気づいていなかったかもしれない共通の傾向を見つけてくれるかもしれない。言葉の使い方や、内容について共通するパターンを探してもらうことができるだろう。読まなければならないPDFがあるけれど膨大すぎて目が疲れそうな場合も、Claudeに読んでもらえば文書の最も重要な部分に注目することができる。

わたしはルーエンスタインとの会話のテキストをClaudeにアップロードし、どの引用が重要であるかを尋ねてみた。チャットボットは会話の重要なテーマを完璧にとらえ、最終的にこの記事のために引用した多くの引用文にフラグを立ててくれた(Anthropicのポリシーは、オプトインしない限り、入力データがAIモデルのトレーニングに使われることはないとしている)。

友達に書くように文を書いてみる

Claudeへのプロンプトをより長く、より具体的に書いてみるのはいいことだ。一方で、メッセージを何度かやり取りするのを前提にチャットボットと会話するのも賢いやり方だ。「チャットボットを使うツールとして、モバイルアプリは実に自然だと思います」とルーエンスタインは言う。

サンフランシスコのクールなバーで見かけたロボットの壁画の写真をClaudeアプリにアップロードすると、チャットボットがそのアートについて詩的な説明をしてくれた。そのバーがどの都市にあるかを当てることはほとんど不可能だったが、会話のテンポは親身になってくれる友人にメッセージを送っているようだった。わたしが最終的にバーの場所を明らかにしたとき、Claudeはわたしに感謝してきた。

Claudeを本当に使いこなすには、もっと使いこむ必要がある。とはいえ、いまの段階ですでに、このチャットボットのアウトプットにはフレンドリーな雰囲気を感じる。わたしはChatGPTをいちばんよく使っているが、ドライで効率的なコミュニケーションスタイルよりも、興味を引かれる人間的なアウトプットを優先するAIツールでメッセージを送りたいときには、Claudeを使うこともありそうだ。

まだ試していないAIツールを使ってみるのは重要だ。チャットボットの進化は速いので、ひとつのツールに縛られるのは時期尚早なのだ。

(Originally published on wired.com, translated by Mamiko Nakano)

※『WIRED』による人工知能(AI)の関連記事はこちら


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