福岡市内に本店を置く人気豚骨ラーメン店「一蘭」で隣の席を仕切る「味集中カウンター」が、新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染防止のヒントになった。

福岡県篠栗(ささぐり)町にある篠栗中では、5月の学校再開以降の給食に活用する。発案者は、4月に赴任したばかり松本修校長(57)。技術科の教諭らと製作を始めた。

学校では、全校生徒と教職員計700人近くが一斉に給食を取る。ランチルームに10人ずつ向かい合って座る幅約70センチの細長いテーブルが38列並ぶ。テーブルの真ん中に長さ約1・8メートル、高さ約45センチ、厚さ約5ミリのプラスチック板に置き、木製の脚を装着。対面での感染を防ぐ。左右を仕切る一蘭形式ではなく、役所の窓口、スーパーやコンビニのレジなどと似ている。

脚は技術科の授業の廃材を利用。費用は約4万円という。自らも月に1回程度は一蘭に行くという松本校長は、「三密(密集・密接・密閉)にならないことが大事。しゃべらずに食べるよう、徹底させます」と話した。同中は5月6日まで臨時休校。次週11日から給食を出す予定だという。

一蘭の広報担当者は「安全確保のためアイデアを採用していただき光栄です。生徒の皆さんに日常が戻るよう、1日も早い終息を願っています」とコメントしている。